写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

2011-01-01から1年間の記事一覧

アンスコ・バイキングで撮る

夏休みを利用して北海道にやってきました。涼しい大自然を前にじっくりと写真を撮ってみたいと考え、6×9cm判フィルムカメラの“Ansco Viking 4.5”を持参です。いまさらフィルムなんて思わないで欲しいのですが、やはりこのクラスの中判カメラにはそれだけのパ…

50年の重み「K2写真研究室」

だいぶ前のことになりますが、僕が最初に写真家の木村惠一さんとお会いしたときに、オフィスの名前がK2だったので、なぜK2なのかと思いましたが、そんな疑問は少し時間が経つことによりすぐ理解できました。K2とは、今から50年ほど前に日本大学芸術学部写真…

柏崎に行って来ました。

7月はなぜか新潟写真月間となりました。7月1日には、新潟市内で写真家細江英公さんが「人間写真展 気骨」を開催するにあたり出版記念を兼ねてレセプションを、7月23日にはトンボの田中さんことオリンパスイメージングの田中博さんが、柏崎市立博物館で“トン…

ハービー・山口さんと笹本恒子さん

2011年度日本写真協会賞の作家賞を受賞したハービー・山口さんと功労賞を受賞した笹本恒子さんの受賞祝賀写真展が東京・目黒の『ギャラーリーコスモス』で7月24日まで開かれています。ハービー・山口さんは1950年生まれ、大学を卒業してから渡英して10年間を…

2本の「ズマール5cmF2」

手元に2本のライツ・ズマール5cmF2があります。1本は自分の、もう1本は友人のノンライツRFカメラクラブ代表大澤さんの物です。もともと僕が古いズマールで撮影をと考えていたときに、大澤さんも同じズマールを持っていて、ぜひ撮り比べて見てください、との…

リコーがペンタックス事業を買収

7月1日の午後、写真業界に激震が走りました。リコーがHOYAからペンタックス事業を買収するというのです。HOYAがペンタックスを手中に入れたのが2008年ですから、わずか3年ほどの期間でカメラ事業を手放すということになったわけです。それぞれ理由はあるでし…

一足お先に美瑛の丘と東川町へ

休日を利用して6月の最後の日曜日、一足お先に北海道の富良野、美瑛、そして写真の町東川町を巡ってきました。富良野、美瑛方面は、ご存知のとおりさまざまな花畑があり、7月中旬にもなればとりわけラベンダーと麦畑やさまざまな野菜や花のコントラストが美…

昨今のカラープリント事情

東日本大震災の津波で被災したカラープリントを“思い出は流さない”ということで、各地で汚染されたカラープリントの洗浄作業をボランティアの方々がやられているようですが、ある団体の調査報告によると宮城県内のある地域だけでも125万枚、被災地全体で1億…

ライカM9クッキー

ライカの新型チョコレートクッキー、M9です。実は、ライカショップ銀座店が6月16日に5周年を迎え、そのレセプションでのおみやげとして配られたのが「ライカM9クッキー」なのです。ただ残念なことに、これを食べるわけにはいかないのです。仕事柄、こんなも…

ノクトン25mmF0.95を使ってみて

久しぶりにレンズのレポートです。今回のレンズは、「フォクトレンダーNOKTON 25mmF0.95」です。いままでに写真用レンズとして最も明るいレンズとして登場してきているのがF0.95です。1961年に発売されたキヤノン7用の50mmF0.95が最初で、以後2009年に発売さ…

カメラメーカーOBの写真活動

このブログはどなたが読んでいるかわかりません。それが書く側にとってのおもしろさでもあるわけですが、最近、2社のカメラメーカーOBの方から連絡をいただきました。 ひとつはNPO法人「ゆい思い出工房」]の青木豊さんです。この会の主旨は肖像画で、写真で…

僕の東京写真月間

6月1日は写真の日。なぜ写真の日が6月1日なのかをご存じない方はこちらをご覧ください。そしてこの6月1日を前後にして東京写真月間と日本写真協会では定めていますが、この時期には写真関係のイベントが目白押しで、僕も業界の端くれとして忙しい日々をおく…

浜岡原発に行ってきました。

中部電力は5月9日、菅首相の要請を受けて浜岡原子力発電所の運転停止を決めました。そのようなことになるとは考えてはいませんでしたが、4月25日に所用があって御前崎に行ったついでに寄ってみたのです。実は、僕が浜岡の原子力発電所を訪れたのはこれで2度…

JPSチャリティー写真展

3月11日に発生した東日本大地震と大津波の被災者支援のため日本写真家協会(JPS)会員の作品によるチャリティー写真展が六本木ミッドタウンの富士フイルムフォトサロンで4月29日(金)〜5月5日(木)まで開かれています。参加写真家は木村伊兵衛、土門拳、田沼…

大賀典雄さんとカメラ

ソニーの元社長大賀典雄さんが去る4月23日に多臓器不全のため81歳で亡くなられました。多くのマスコミが報じたのはソニーの社長であった時代の功績と音楽家としての部分がほとんどであると思うのですが、ここでは“カメラにこだわる”のタイトル通りに大賀典雄…

「お散歩カメラ」と「通勤カメラ」

いつもカメラを持って歩きたい。そして、あわよくば傑作を撮りたいと考えるのは、写真好きの人なら誰もが考えることでしょう。というわけで、いつも気軽にカメラを持って歩きたいと考えることに対して、近年しっかりと根付いたのは「お散歩カメラ」という言…

津波から回収された思い出の写真

前回の“いま僕たちにできること”で紹介した、報道カメラマンの新藤健一さんから貴重な写真が届きましたので紹介しましょう。 市川様 今回は、気仙沼と女川原発、南相馬をカバーし、夕べ帰ってきました。 これで主要な岩泉、宮古、釜石、石巻からいわき、北茨…

いま僕たちにできること

3月も終わり頃、とある家電系カメラメーカーのNさんから相談したいことがあると電話がありました。お会いして話を聞いてみると、すべてが自粛ムードのあるなか、黙っていてもしょうがない。いま写真業界として、皆で何かできることはないだろうか?、という…

コシナとフォクトレンダー

「コシナとフォクトレンダー展」が4月5日から7月3日までの会期をもって、日本カメラ博物館の特別展として始まりました。コシナといえば、今日ではフォクトレンダーブランドのカメラや交換レンズを作るメーカーとして知られているかもしれませんが、実はフォ…

時の忘れ物

東京板橋区の区報に『平成23年2月23日 水曜日、板橋区前野町二丁目36番工場跡地で直径36cm、長さ150cmの米国製500ポンド(250kg)の不発爆弾が発見され、平成23年3月21日(月曜、祝日)午前9時30分から不発弾処理が行われる』という告知が載りましたと、板橋…

衛星からの写真

東北地方太平洋沖地震の発生から時間が経つことにより、だんだんとその実体が明らかになるにつれて過去に例のない悲惨な現状には目を覆うばかりです。そこで、この場は「写真にこだわる」ということで、少しでも写真に関係あるお話しをアップすることにしま…

作品とフィルムの保存

いまJCIIフォトサロンで「ときを刻んだ写真−−保存が望まれる写真」という特別展が開催されています。主催は、日本カメラ財団と日本写真家協会で、かねてから「日本写真保存センター設立推進連盟」を組織して文化庁に「時代を記録した写真原板の散逸を防ぎ、…

4本の新ズマリットレンズ

ライカの交換レンズでズマリットといえば、1949年に発売された“ズマリット50mmF1.5”が良く知られています。もともとライカ用のレンズでは、ズミルックス、ズミクロン、エルマーなどとレンズの口径によって名称がシリーズ化されていましたが、このズマリット…

何だ!これは!

「何だ!これは!」ということですが、ソニーのミラーレス機NEX-5にBNCマウントアダプターを介してシネ用レンズが取り付いた状態です。取り付けられているレンズは“COOKE SPEED PANCHRO SER II 25mmF1.8(T2.2)”です。あまりにも大きいので重さが気になると…

忘れてました。フィルムX線検査

久しぶりにフィルムカメラを持って羽田から福岡まで1泊の旅行をしてきました。カメラは35mmレンズシャッター式のフォクトレンダー・ビテッサT(VITESSA T)です。このカメラは僕が昔から欲しかったクラシックカメラ御三家のなかの1台で、その独特なフィルム…

キヤノンマウントに終始したコダックのデジタル一眼レフ

CP+2011の会場で、「電子カメラ誕生30周年記念展」と称した特別展示が行なわれたのは前回紹介したとおりですが、その会場でロチェスターから来たコダックのデジタルカメラおよびデバイスの主任科学者のKenneth A. Parulskiさんから興味ある情報をもらいまし…

「CP+2011」 祭りの後

国内最大級の写真・カメラの祭典である「CP+2011」が2月9日から12日まで、パシフィコ横浜で開かれました。会期中は雪がちらつく日もありましたが、事務局の発表では、延べ49,368名の入場者を得たと言うことですから、なかなかの入りのようでした。僕自身は…

リコーGXRにライカMマウントユニット

2010年9月のフォトキナ時に、リコーからGXR用のマウントアダプターユニットを開発中というアナウンスが流されましたが、2月9日からの「CP+2011」開始を目前に控えた2月1日に、そのマウントアダプターは「ライカMバヨネットマウント」で、2011年秋発売予定と…

「日本大判写真展」2011

こんなタイトルの写真展が2月1日からの埼玉県立近代美術館を皮切りに名古屋、京都、神戸で開かれます。主催は一般社団法人 日本大判寫眞家協会ですが、一般公募の写真展が今年で8回目、「彩光写」展として会員の作品展が17回を数える写真展です。この写真展…

謹賀新年 2011

2011年です。ブログを開始して早くも1年以上たちました。この間80本以上アップしたのですが、改めてカウントしてみるとまだまだという感じと、こんなによくもまあ!という気持ちが入り混じり、複雑なものがあります。とはいっても、元々の目的は十分に達した…