写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

4本の新ズマリットレンズ


イカの交換レンズでズマリットといえば、1949年に発売された“ズマリット50mmF1.5”が良く知られています。もともとライカ用のレンズでは、ズミルックス、ズミクロン、エルマーなどとレンズの口径によって名称がシリーズ化されていましたが、このズマリットだけは単独レンズの名称でした。ところが最近は、M型用の一部と、中判S2用の交換レンズにズマリット名を冠されたものが登場してきました。今回は2007年に発売された、ズマリットM35mmF2.5、M50mmF2.5、M75mmF2.5、M90mmF2.5の4本を使ってみた印象を紹介しましょう。ところで僕にとってオリジナルの“ズマリット50mmF1.5”には少しばかり思い出があります。それというのも今から40年ほど前、初めて買ったライカM3の中古についていたのがズマリット50mmF1.5だったからです。このレンズは不思議なレンズで、まず手に持つと見た目の寸法よりどっしりと重く、まるで鉛の固まりをつかんだような感じがしたのです。そしてカラーネガで撮影すると、青空が妙に落ちついた色でプリントが仕上がり、さらにモノクロフィルムを詰めて喫煙する知人を絞り開放のアップで撮影したら何か空気が写るような気がしたなど、思いでのレンズです。レポートはいつものように京都ライカブティックの「フォトグラファー」の項をご覧下さい。