写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

2本の「ズマール5cmF2」

 手元に2本のライツ・ズマール5cmF2があります。1本は自分の、もう1本は友人のノンライツRFカメラクラブ代表大澤さんの物です。もともと僕が古いズマールで撮影をと考えていたときに、大澤さんも同じズマールを持っていて、ぜひ撮り比べて見てください、とのことなので同じレンズが2本手元にそろいました。まずは手始めにとその場で2本をほぼ同じ条件で撮影してみますと、びっくりしました。僕所有のはフレアが顔全体にかかり、片や大澤さんのはすっきりと普通のレンズなのです。さて違いはどうして?となるわけですが、聞くところによると、大澤さんのは新宿の山崎光学で、再研磨し単層コーティングを施したレストア品だということなのです。それぞれのレンズナンバーを調べてみると、僕のが1936年製、大澤さんのは1937年製でした。一般的に、コーティングが写真用のレンズに施されるようになったのは戦後のことでですが、その点においてどちらもノンコートの時代のレンズであるのですが、この時期に再コーティングしたものはこんなにもコーティングの効果が顕著なのかと驚くほどです。その違いをさまざまな場面で比較してみました。その結果は、今まで通りの結果ですが、いつものように京都ライカブティックのフォトグラファーのコーナーに掲載しました。ご覧下さい。
◇写真左は、ライカM9にフードを付けたコーティングズマール5cmF2、右はズマール5cmF2と同年の1936年製の「ライカIIIa」に装着されたオリジナルズマール5cmF2。この写真見てもコーティングありとなしの差がわかります。