写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

何だ!これは!

「何だ!これは!」ということですが、ソニーのミラーレス機NEX-5にBNCマウントアダプターを介してシネ用レンズが取り付いた状態です。取り付けられているレンズは“COOKE SPEED PANCHRO SER II 25mmF1.8(T2.2)”です。あまりにも大きいので重さが気になるところですが、写真の状態で1,430gありました。このうち約230gがボディ本体の重さとなるわけですから、差し引いた1,200gぐらいがレンズ本体とマウントアダプターの重さとなります。それにしてもすごい迫力です。ちなみにソニーNEXの発売は2010年の6月で、9月のフォトキナの時点でソニーが確認できたマウントアダプターは80近くの種類が世界中にあったそうですから、その普及の速度はすごかったわけです。このようなマウントアダプターは正式に認可していたわけでなく、推奨も禁止もしなく、単に黙認ということの結果だったようですが、ソニーのNEXシリーズのαEマウントは、4月から交換レンズメーカーに無償技術供与されるわけですから、このようなこともますます盛んになるでしょう。このマウントアダプターを製作した小板橋さんは、動画に使いたいということですから、ソニーも本望でしょう。いずれにしても短期間で新しいマウントを普及させるには仲間作りが大切なのはいうまでもありませんが、このように無認可のマウントアダプターが登場するのもカメラ本体普及の鍵を握っていることになるわけです。
右の写真は、APS-CのNEXでスピード・パンクロ25mmF1.8を絞り開放で撮影した結果ですが、背面液晶でとりあえずのピント合わせでも、まずまずの結果を示してくれました。
ちょうどこの時期銀座松屋で開かれている「第33回 世界の中古カメラ市」に顔を出して、毎年マウントアダプターを会場で販売しているSさんに聞いてみると、昨年に引き続きマウントアダプターの売れゆきは好調だそうです。特に今年は中国製の普及価格帯のものを多数投入したそうですが、一人で複数まとめてかっていく人が多かったそうです。ということで、これからもますますレンズ遊びは盛んになるわけです。スチル派の人々はあまり変わったレンズは所有していないようですが、シネ派の人々はひと味違ったレンズをたくさんお持ちのようで、スチル派の人は勝ち目はありませんね。それにしても動画系の小板橋さんはとうとう「シネ用レンズを楽しむ」というブログを開始していました。シネ用に特化したブログの登場で、レンズ遊びもますます盛んになるわけです。