写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

リコーGXRにライカMマウントユニット

2010年9月のフォトキナ時に、リコーからGXR用のマウントアダプターユニットを開発中というアナウンスが流されましたが、2月9日からの「CP+2011」開始を目前に控えた2月1日に、そのマウントアダプターは「ライカMバヨネットマウント」で、2011年秋発売予定と正式に発表されました。このマウントアダプターユニットは、簡単にいうとレンズのないフォーカルプレーンシャッターと撮像素子を含んだ箱で、撮像素子は、APS-Cサイズ23.6mm×15.7mm、総画素数約1290万画素のCMOSセンサーが使われるというのです。2008年のマイクロフォーサーズのミラーレスに始まった「マウントアダプター遊びも」は、換言すると「ライカレンズ遊び」ともいえますが、もともとは2004年発売の「エプソンR-D1」に起源があると僕は考えています。R-D1では、距離計に連動した光学ファインダーを利用していましたが、GXRでは光学的な距離計はなく背面液晶やEVFによりライブビューでピントを合わせるところが大きな違いです。ということは距離計機構は使わずに、一眼レフやビューカメラのように実際の像を背面液晶やEVFを覗いてピントを合わせるわけですから、フランジバック(27.8mm)に制限はあるものの、ライカのように135mmまでというような焦点距離による制約はなくなるわけです。いずれにしても、光学的な距離計がなくなるわけですから、R-D1のような価格設定でなく、かなり安価になるであろうことが予想されるわけです。しかも基本ユニットにマウントアダプターを介せば、ほとんどの一眼レフ用の交換レンズが使えるわけですから、“レンズ遊び”にはもってこいです。



そしてこの時期発売間近の富士フイルムの「ファインピックスX100」も大いに気になるところです。こちらは、レンズ交換はできませんが、光学ファインダーと液晶によるライブビューファインダーとの切り替え式としたことです。この切り替えも、ファインダーを覗いて光学式、背面液晶を覗いてライブビューといういわゆる「一眼レフのライブビュー」とは異なり、ファインダーそのものが光学式と液晶のビューファインダー(EVF)に切り替えられるハイブリッド式ということです。このX100、そろそろ実写した人たちからすごいシャープなレンズだと絶賛の声が聞こえてきていますが、もしレンズ交換式だったら!と考えるのは僕だけでしょうか。いずれにしても光学ファインダーを外して、EVFと背面液晶のライブビューにしたフルサイズのライカが登場したらもっと楽しく“レンズ遊び”ができるのにと思うわけです。
さて、これら新製品を一堂に見られる“ワールドプレミア ここから始まるフォトイメージング”と題した「CP+2011」の開催は、2月9日から12日までパシフィコ横浜で開かれます。今年も初日に僕も関係していますので、お時間許す方はぜひ足をお運びください。