写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

柏崎に行って来ました。

 7月はなぜか新潟写真月間となりました。7月1日には、新潟市内で写真家細江英公さんが「人間写真展 気骨」を開催するにあたり出版記念を兼ねてレセプションを、7月23日にはトンボの田中さんことオリンパスイメージングの田中博さんが、柏崎市立博物館で“トンボ日記「水辺の詩」”写真展を開催にあたりオープニングパーティーを開いたというわけです。どちらからもご案内をいただきましたが、いずれもなぜか私の仕事日の夕方からであり、新潟ということですので仕事を終えてからチョット参加というわけにはいきません。そこで一計を案じ、7月の仕事がほぼ終了の目途が立った、24日の早朝に東京を車で発ち、柏崎市立博物館で田中さんの写真展だけでも拝見しようとなったのです。前日には東京から業界関係者が貸し切りバスを仕立ててオープニングパーティーに参加していますが、24日当日の午前中は、午後からのトークショーに備え、皆さん酒蔵見学など市内観光をされていましたが、田中さんにはお会いすることができました。会場に展示された田中さんのトンボ写真は沖縄をはじめとして、東京、新潟など各地で撮影し、約80点とか、単なる記録としてだけでなく、美しい水辺の環境のなかにとらえたというだけあって、見応え十分でした。また、会場はトンボの写真展だけでなく、博物館学芸員佐藤俊男さんの「蜻蛉の意匠・文化〜柏崎とトンボについて〜」という展示も、トンボに対して素晴らしいこだわりで、古くから日本におけるトンボとのかかわりの研究には感心させられることばかりでした。その研究は、広く、深くでしたが、僕が住んでいる東村山市の秋津という町にまで研究が及んでいるのには脱帽でした。そういえば東村山市柏崎市は友好姉妹都市でした。
 もうひとつ、僕が柏崎に来るにはもうひとつの理由がありました。実は東京電力柏崎刈羽(かりわ)原子力発電所を見学したいという目的があったからです。4月にはたまたま静岡に行ったときに中部電力浜岡原発を見学しましたが、この際せっかくだから東電の柏崎刈羽もぜひ見ておきたいという単純な気持ちからです。ただ浜岡のときは、もうひとつの見学場所であった牧ノ原市の「相良油田資料館」が浜岡原発交付金で作られたと聞いて、その足で浜岡に出向いたのですが、今回の柏崎市立博物館もプラネタリウムなど立派な機械を備えているわけで、こちらもたぶん原発交付金とは無関係でないだろうと、その源流をたどる意味も含めて訪れてみました。実際訪れてみると、市立博物館の建物は“原子力災害時コンクリート屋内退避施設”に指定されていました。田中さんの写真展会場をでて、車で約30分の所に東京電力柏崎刈羽原子力発電所はありました。当日は、写真仲間で電源関係の友人Sさんの取り計らいもあり、発電所内のサービスホールで、柏崎刈羽原子力発電所の概要と現状、東京電力の福島における取組、柏崎刈羽原子力発電所の今後の津波対策などのレクチャーを受けることができ、さらに展示施設と発電所構内の見学を延べ2時間にわたって見ることができました。3.11の大震災以後、最近は近隣県からの、見学者が平日でも60人近く訪れるそうで、日曜日ということもあってか4月下旬の浜岡原子力館より訪問者は多いという感じを受けました。
 その日は、早くから十日町市の松の山温泉に投宿、早朝からのドライブも終え、ヒグラシの鳴き声を聞きながらお湯に浸かり、のんびりと一日を過ごすことができました。