写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

衛星からの写真

東北地方太平洋沖地震の発生から時間が経つことにより、だんだんとその実体が明らかになるにつれて過去に例のない悲惨な現状には目を覆うばかりです。そこで、この場は「写真にこだわる」ということで、少しでも写真に関係あるお話しをアップすることにしましょう。もともと僕はある時期までは、凧による空撮にかなりエネルギーを注いできました。しかし残念なことに、僕自身の写真のライフスタイルが少しずつ変化してきたことと、凧による空撮は、考える以上に体力を使うので、最近はすっかり疎遠になってなってきました。凧による空撮は、航空写真とも異なり、せいぜい数メートルから高くても150mぐらいです。それだけに航空機では得られない、独特なアングルの写真が撮影できるのです。どんな写真が撮影できるのか、その一部をホームページで紹介していますので、ご覧下さい。さて衛星からの写真は、有名なアメリカ航空宇宙局地球観測衛星ランドサットの場合は、地上から915kmぐらい、気象衛星ひまわりは36,000kmぐらいとされています。今回の東北地方太平洋沖地震は、台湾として2機目の高解像度地球観測衛星である「FORMOSAT-2」が、地震の前後の3月11日と12日の比較写真をとらえ、台湾国家実験研究院(NARL)の解析結果が「日本宮城大海嘯」としてJAXAを通じて公開されています。また日本の陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による東北地方太平洋沖地震緊急観測結果も掲載されています。ちなみにFORMOSAT-2(フォルモサット・ツー)の高度は890kmぐらい、「だいち」の高度は約690kmぐらいのようです。
衛星を使った画像解析はリモートセンシングといわれますが、広義な意味で写真測量であるわけで、軍事はもとより、地球環境、植生、自然災害の調査、気象、考古学調査などと幅広く活用されています。15年ほど前は、アメリカ、フランスや日本など一部の国の技術かと思っていましたが、最近は各国で研究対象となっているようです。シンガポール大学アメリカの商業用高分解能地球観測衛星IKONOS(イコノス)とGeoEye-1(ジオ・アイ・ワン)のデータを使った2010年Mentawai島の津波の画像を示します。ちなみに英語でも津波は「Tsunami」なんですね。
※こういうのもありました「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による被災地の空中写真
※これが一番わかりやすいかも知れません。ABCニュース