写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

スカイツリーを凧で空撮

 僕は一昔前、カイトフォトグラファーとして頑張っていた時期がありました。しかし最近は、地上で撮影することに宗旨変えしてからもう10年以上経ちます。そんなある日、20年以上前に凧で長い期間苦楽をともにしたテレビプロダクションであるクリエィティブネクサスの若いスタッフの方から電話をいただき、いま話題のスカイツリーを凧で空撮してもらいたいので誰かを紹介して欲しいというのです。こういうときは、その当時から、地域と内容によって凧写真仲間を紹介していましたが、最近は皆、高齢化というか興味の対象が他に向かってしまい、すっかり凧写真からは身近な人は足を洗ってしまったのです。とはいっても当時一緒に動いたスタッフを思い出すと、何とか協力してあげなくてはということになりました。そこで思いたったのが日本カイトフォトグラフィー協会の室岡克孝さんです。室岡さんは多くの人が宗旨変えしても何のその、時間があれば東京武蔵野市にある都立武蔵野中央公園で凧揚げに勤しんでいます。紹介してから幾日か経ったある日、室岡さんから連絡がきました。どうやら撮影に成功して、テレビ放映されるようです。さすがテレビです。タイトルは「どこまで見える?スカイツリー中央線の旅−−凧から見たスカイツリー」、ミッション「武蔵から634を撮る」ということだそうで、5月5日風速5mで、武蔵野中央公園から六角凧を約150m揚げて、30km先のスカイツリーをキャッチしたというのです。撮影は、リコーGR-1で内蔵のインターバルタイマーを使ったというのです。右上の写真はそのときの写真のようですが、室岡さんが番宣の印刷物をスキャンしたときにモアレが発生したようです。とにかく成功の報に、僕もほっとしました。放映は5月17日PM9時、NHK TV BSプレミアムだそうです。興味のある方はご覧下さい。ところで、この武蔵野中央公園ですが、開設のころから、紙飛行機と凧揚げが認められています。それもそのはず、ここはかつての中島飛行機の工場跡地だったのです。飛行機工場跡地だからということで単純に飛びものOKということでなく、公園は草の生えた原っぱがほとんどで、聞くところによると住民の要望として原っぱであることや凧や紙飛行機を飛ばすことを認めてもらっているそうです。