写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

サクラの花に誘われて

  サクラの花に誘われて、散歩がてらに撮影に行ってきました。さてカメラは何を持っていこうかといつも思い悩むのですが、この時期はもっぱら、ライカMにマウントアダプターを取り付けて、これからは使うことはないだろうと、ただただあきらめの境地で持っていた過去のレンズを改めて使うように心がけています。というわけで、引張りだしてきたのは“Konica UC Fish-Eye HEXANON 15mmF2.8”です。結構、いかにもレンズらしい見栄えのするデザインで、古さをあまり感じさせません。
 僕の周りには、フィッシュアイレンズを多用して、赤外線写真を撮るKさんもいます。実は僕はフィッシュアイレンズを2本所有しているのですが、ここ15年ほどはすっかりその使用をお休みしていました。かつて僕は、カイトフォトグラフィーという凧でカメラを吊るし、空撮を楽しんでいたのですが、その時わずかな高度で地表をたくさん写しこもうとしたときに便利だったのが、フィッシュアイレンズだったのです。そのようなときにリモコンが用意され、シャッターを切るとフィルムを自動的に巻き上げる「コニカFS-1」が便利でした。1979年のことですから、今から35年も前のことだったのです。リモコンが外付けで、電波の到達距離に限界があったので、次の時代に使ったのが「リコーXR-X」です。こちらはインターバルタイマーが入っているので、空中で自動的に間欠的にシャッターが切れ、フィルムを自動的に巻き上げ、自動的に巻き戻したのです。こちらは1987年のことでした。もちろん、カメラだけでは空撮はできません。大きな凧の製作、空中でカメラアングルを自由に変えられるカメラ架台など、いろいろな器具を自作していました。というわけで、もう1つはリコーXR-X用のシグマ フィッシュアイ16mmF2.8です。もちろん今でも、どちらのレンズもマウントアダプターを介せばライカに使えるわけですが。最近では、空撮用リモコンヘリコプターや動画用小型カメラが一般に向けて発売されるなど、空撮がかなり身近なものとなりました。興味のある方は、その昔どのようにしてアマチュアが空撮を行っていたかこちらをご覧ください。

《サクラとナノハナの競演。ライカM、UC Fish-Eye HEXANON 15mmF2.8、絞りF5.6・1/750秒、ISO200、東京東村山、全生園公園にて》
 せっかくですからカイトフォトグラフィーによる成果をお見せしましょう。いずれもフィッシュアイレンズです。

《KAPI`OLANI PARK,OAHU ISLAND HAWAII. DELTA KITE with Lark Eye, Altitude C.A.100m,RICOH XR-X,Fish-eye SIGMA 16mmF2.8》

《KOMAKA ISLAND,OKINAWA pref.JAPAN. DELTA KITE with Lark Eye, Altitude C.A.100m,RICOH XR-X, Fish-eye SIGMA 16mmF2.8》