デジタルメディアはある日突然消えるのでは?という危惧から、2024年に創刊しました“はてなブログ 写真にこだわるBooks ”がおかげさまで無事に3号を発刊できましたのでご報告します。
そもそもは、写真界におけるカメラ雑誌、業界紙などの急激な写真メディアの衰退、Webメディアの不安定な部分、急速なYouTubeチャンネルの広がりなどを長い目で見ていくと、写真やカメラの情報がこれから先長く残るためには、やはり紙に残すことが大切だと考え、まったく個人的な作業として“写真にこだわるBooks ”という名称でスタートしたのです。
第1号は「ヤシマデジタル750の研究」と題して、かつてのヤシカの創業社長であった牛山善政氏が、ヤシカを引退した後に作った35㎜フィルム一眼レフカメラの技術と、どのような時代的背景をもって生まれたのか、どのような人間関係があったのかなどに焦点をあててみました。ヤシマデジタル750は、このほかに名前を変えて「オサノンデジタル750」であったり、「RONY EMC」、さらには「タムロンデジタル750」という名の試作機まで存在していました。その存在の解明にあたったレポートです。
第2号は「コンタックスAXの研究」と題して、ヤシカが京セラに買収される前の1982年フォトキナで発表していたボディ内モーターの試作機「コンタックスAF」がその後本格的な一眼レフAF時代をもたらした1985年発売の「ミノルタα7000」以前に、モーターによるカメラシーケンス駆動のパテントを持っていて、1986年には競合各社を抑えて1年早く「京セラ230AF」として発売し、さらにその11年後の1996年にボディ内焦点機構駆動の「コンタックスAX」誕生までを、ヤシカ時代のユニークなカメラ技術、さらにはニッカカメラ買収による労働争議、京セラに吸収合併された後に京セラ稲盛和夫氏がカメラに注いだ情熱など幅広く、当時の関係者の文章とともに解説しています。
第3号は「エプソンR-D1の研究」と題して、2004年にセイコーエプソンがコシナの協力を得て発売したライカMマウントのレンジファインダー式デジタルカメラの、製造から発売までの経緯を、当時の商品企画責任者、設計技術リーダーの方のお話を伺い、技術的なバックグラウンド、さらにはライカカメラ社とのやりとり、世界中のカメラファンの期待などを紹介してます。本機をもってエプソンはデジタルカメラ分野から撤退してますが、20年を経過したいま、幻の次世代機「エプソンR-D10」の全容を始めて公開しました。
次回は、「ゼンザブロニカの研究」を予定してます。
“写真にこだわるBooks ”をご覧になりたい方は、以下の所で頒布してますので、ご購入ください。取り扱いサイトによってわずかに金額は異なりますが、ワンコイン500円です。
≪取り扱いサイト≫順次追加します。
※既刊のヤシマデジタル750、コンタックスAXも在庫あります。