写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

「フラッグシップカメラあれこれ」講演会

 ありがとうございました。6月11日当日は増席しましたが定員を上回る約120人もの方に来ていただきました。わざわざ地方からの方も何人かおいでになり、北海道札幌からいらっしゃった方もいました。これからも皆様のご期待に応えられるように頑張ります。感謝です。

写真はイントロで、1936年ベルリンオリンピックの時は、ライカコンタックスの戦いでもあったとの話です。写真撮影は神原武昌さん。レンズはコシナ・ヘリアー ハイパーワイド10mmF5.6。

 日本カメラ博物館では、『カメラメーカーの威信と挑戦――ザ・フラッグシップ・カメラ展』を4月5日から7月3日まで開催していますが、来る6月11日(土曜)に『フラッグシップカメラあれこれ』と題して、私市川がお話をします。フラッグシップカメラというとこの時期は「ニコンD5」や「キヤノンEOS-1DX MarkII」が思い浮かびますが、今回はこれらに至る両社の高級一眼レフの歩みを歴史的な流れのなかに分析しました。“より早く、より高く、より強く”とオリンピック憲章を目標としたような技術進歩をいつもフラッグシップ機は目指してきました。このようなオリンピックで使われるようなカメラだけがフラッグシップカメラなのでしょうか、もちろんそうではないことはご承知のことと思いますが、各時代において、それぞれの企業やジャンルにおいてのフラッグシップカメラは多数存在したのです。海外のライカコンタックスはもちろんのこと、国産のオリンパスペンタックスコニカソニーミノルタ、フジ、マミヤ、ズノー、ミランダ、ヤシカ、リコーにもフラッグシップ機は存在したのです。カメラメーカー各社がそれぞれの時代に製造したフラッグシップモデルを、さまざまなカテゴリーに分けて紹介します。

 そしてこれら企業のフラッグシップ機を時代の変遷とともにながめてみると、技術者たちが、その時代の最新技術をいかに組み込むかと腐心したことを再発見することができます。そのような視点でもって、日本が世界に冠たるカメラ王国となったきっかけとなる35mm一眼レフ技術の黎明期の各社一眼レフを改めて見ると、現在に通じる技術者の意気込みを感じさせるのです。各機種にまつわるさまざまな逸話、本邦初公開の資料など、いまだから話せる“フラッグシップカメラあれこれ”の講演会にぜひ足をお運びください。お申し込みは日本カメラ博物館まで。