APS-Cサイズ、2600万画素裏面照射型CMOSセンサー搭載で動画に重点をおいたデジタルカメラ「ソニーVLOGCAM ZV-E10Ⅱ」が8月2日に発売されたので、さっそく入手しレポートしてみました。最初にお断りしますが、私の写真的な志向からすると動画はあまり得意とする分野ではありませんが、せっかくわがスポンサー氏が購入後に試用のチャンスをくれたので簡単にレポートしてみることにしました。
まずこのボディには黒と白があり、同時に標準域の電動ズームレンズ『EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ』も発売されされ、『E55~210㎜F4.5-6.3OSS』とのダブルズームキットも発売されたので、今回は黒のダブルズームキットを購入したのです。
《ダブルズームセットのソニーVLOGCAM ZV-E10Ⅱ》白ボディもありますが、55~210㎜F4.5-6.3が黒鏡筒しかないので、ダブルズームは黒のセットしかないようです。
《EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡは電動式の沈胴ズーム》電源をONにするとレンズの沈胴部分が前に出てきます。アクセサリーシューの右の細かく穴の開いた長方形部分がマイクで、さすが動画メインのボディです。右下のスライドスイッチは、静止画・動画・S&Qと書かれているが、S&Qポジションにすると“SDXC U3 V30以上のメモリーカードを使うように”と背面液晶に警告が出でます。電動ズーム範囲はレンズの焦点域ですと、APS-Cで16~50㎜F3.5-5.6は、35㎜フルサイズ換算で24~75㎜相当画角となりますが、ボディ側のレバーやさらにレンズ側のズーム機能を使うとそのまま、さらに2倍までの電子ズームの機能が加わり、スチルでは実質フルサイズ換算24~150㎜画角をカバーすることなります。『E55~210㎜F4.5-6.3OSS』は、旧来型の回転式ズームで、フルサイズ換算82.5~315㎜相当の画角となりますが、電子ズーム機能を使うと630㎜相当の画角となります。なお、動画時の電子ズームは1.5倍までとされています。電子ズームとは、いわゆるクロップ撮影ですから画質的には当然低下するでしょうか、2600万画素で、この2本のレンズを使えばフルサイズ24~630㎜相当画角までカバーするというのですから驚きです。
《左:EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡのレンズ側のズーム用ノブ、右:ボディ左側面に設けられた蓋を開けるとメモリーカードや充電用タイプCのUSBコネクターなどがでてきます》E PZ16~50㎜は名前が示すようにパワーズムですが、ノブの操作でズーミングを行えます。また鏡胴のズームリングを回転させることでも行うことができます。
《撮影時背面液晶の基本メニュー画面》だいたい見ただけで、何ができるのかわかりやすく、グラフィック・ユーザー・インターフェイスは好感持てます。モードを変更したいときは、その部分をタッチすればよく、たとえば、現在人物にセットされているアイコンをタッチすると人物⇒動物⇒鳥⇒人物と変更でき、実際の撮影時には、ピントを合わせたい部分をタッチすれば、その部分が合焦し、自動追尾(トラッキング)することもできます。(被写体は白い紙なので何も見えません。モアレの発生はたまたまうまく合致しただけです)
《風切り音防止のウインドジャマー》本キットにはウインドジャマーが付属しているのですが、最初に開梱したときはそのものがなく欠品かと思いましたが、箱の中に平たい白い封筒(左)が入っていてその中に隠れていたので、引き出しました(右)
《ウインドジャマーの装着》ニュースリリーズで見た時は、もふもふで良い感じだったのですが、自分で装着してみる(左)と、なかなかうまくいきません。右の写真はソニーからのニュースリーリス写真で、まるでソニにはヘアメイクさんがいるみたいです。
■あれこれと撮影
まずはスチルでいつものように撮影を開始です。発売日の翌日は、この時期にしては珍しく青空、ラッキーでした。
《いつもの英国大使館正面玄関》EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ:焦点距離24㎜(35㎜判換算36㎜)、F11・1/200秒、ISO-Auto100。ふだんは、同じ位置から絞りF5.6に設定してから撮影しますが、今回はカメラを作った設計人の考え方を知りたいためすべて自動のポジションで撮影してみました。ピントはタッチパネルでエンブレムに合わせました。露出は、ハイライト部はぎりぎりですが飛ぶこともなく、シャドー部はつぶれることもなく、レンズはディストーションも感じさせませんし、解像感を含め安定した性能を発揮してます。
《半蔵門国民公園・Ⅰ》EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ:焦点距離50㎜(35㎜判換算75㎜)、F7.1・1/250秒、ISO-Auto100。英国大使館の跡地であるからイングリッシュガーデン風の公園で、平日は近隣住民の犬の品評会?、勤め人のお弁当を食べる場所であったりとのんびりしてます。撮影結果からは、描写は画面全体にムラがなく、発色の鮮やかなことと、色の分離が良いことがわかります。
《半蔵門国民公園・Ⅱ》EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ:焦点距離50㎜(35㎜判換算75㎜)、F7.1・1/250秒、ISO-Auto100。Ⅰの撮影条件と同じですが、ボケ具合がわかるように、花が咲きだしたばかりのラベンダーにピントを合わせて撮影しましたが文句ないボケです。
《半蔵門国民公園・Ⅲ》EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ:焦点距離50㎜(35㎜判換算75㎜)、F7.1・1/250秒、ISO-Auto100。1輪の花をアップで撮ってみました。おみごとな描写です。
《英国大使館脇の遊歩道で》EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ:焦点距離50㎜(35㎜判換算75㎜)、F5.6・1/160秒、ISO-Auto500。一番町にある、最初の英国大使館は赤レンガ作りでしたが、1923(大正12)年の関東大震災で完全に倒壊しました。その時の赤レンガの破片が遊歩道のあちらこちらに顔を出していて、100年近い歴史を感じさせるので、好きな撮影ポジションです。
《いつもの場所で開封の儀》EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ:焦点距離50㎜(35㎜判換算75㎜)、F5.6・1/50秒、ISO-Auto6400。開封して1時間弱バッテリーを充電した後の、最初から3コマ目のカット。撮影はミノルタα以来のソニーαシリーズ愛用者のHさんだけに、さすがうまいといいたいのですが、だいたい顔に向けると目を認識してくれるので、気楽にシャッターを押してもうまくいくのです。
《バリ舞踏・Ⅰ》東京・阿佐ヶ谷神明宮能楽堂「バリ舞踏祭にて」、EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ:焦点距離16㎜(35㎜判換算24㎜)、F4・1/60秒、ISO-Auto160。EPZ16~50㎜F3.5-5.6の最ワイド側です。CAFで1コマ撮影(連写してません)
《バリ舞踏・Ⅱ》EPZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ:焦点距離50㎜(35㎜判換算75㎜)、F5.6・1/60秒、ISO-Auto2000。EPZ16~50㎜F3.5-5.6の最テレ側です。2人が横に並んでいるので1人の瞳にピントが合い、2人ともうまい感じで撮れました。CAFで1コマ撮影(連写してません)ですが、動く被写体に対して、シャッター押してピント、手振れ補正、露出などまったく問題を感じさせません。以下同様です。
《バリ舞踏・Ⅲ》E55~210㎜F4.5-6.3OSS:焦点距離210㎜(35㎜判換算315㎜)、F6.3・1/400秒、ISO-Auto4000。E55~210㎜F4.5-6.3OSSの最テレ側です。この場では瞳というより顔に合わせましたが、うまくピントが合ってます。CAFで1コマ撮影(連写してません)。ここからのカットはすべて望遠ズームでの撮影ですが、撮影環境としては夕方17:00からの開演でしたので、照明は足元に2灯あるものの高輝度化ということではありませんので、ISO感度の上昇による粒状感、色再現の具合など見て欲しく、さらにレンズの絞りはすべて開放のF6.3なのです。
《バリ舞踏・Ⅳ》E55~210㎜F4.5-6.3OSS:焦点距離138㎜(35㎜判換算207㎜)、F5.6・1/250秒、ISO-Auto2000。E55~210㎜F4.5-6.3OSSの中間テレ側です。右から2人目の人の瞳に合って、トラッキングしてました。CAFで1コマ撮影(連写してません)
《バリ舞踏・Ⅴ》E55~210㎜F4.5-3.3OSS:焦点距離210㎜(35㎜判換算315㎜)、F6.3・1/250秒、ISO-Auto4000。E55~210㎜F4.5-6.3OSSの最テレ側です。瞳に合って、トラッキングしてました。CAFで1コマ撮影(連写してません)
《バリ舞踏・Ⅵ》E55~210㎜F4.5-6.3OSS:焦点距離178㎜(35㎜判換算267㎜)、F6.3・1/320秒、ISO-Auto4000。E55~210㎜F4.5-6.3OSSの中間テレ側です。右の人の瞳に合って、トラッキングしてました。CAFで1コマ撮影(連写してません)
■本来の機能である動画で撮影してみました
動画主体のカメラなのに、動画を撮影しない手はないだろうと、たまたま東京・阿佐ヶ谷の神明宮という神社の能楽堂で「バリ舞踏祭」に撮影席を確保してもらいましたので、臨時記録員として撮影をさせてもらいました。レンズは『E PZ16~50㎜F3.5-5.6OSSⅡ』と『E55~210㎜F4.5-6.3OSS』の2本を使いましたが、当然のこととしてウインドジャマーを取り付けてです。撮影はすべて手持ちですが、周囲のビデオカメラの撮影の人たちは三脚に固定して、ズームもしないで固定記録撮影でしたが、私は初めてでしたが、あれこれと振ったり、ズームしたりということで何とか収めましたが、撮影は何とかなりましたが、PCも変わり編集は久しぶりで、下手で納得できませんがご勘弁ください。
動画画面は音入りで、YouTubeにアップしましたのでご覧ください。
いかがでしたか、ほとんどの素人が、カメラのオートのままで、手持ちで、これだけ撮れてしまうのですから、価格を含めカメラならびにレンズ技術は進歩したものだと再認識した次第です。さあ、どうしようという感じです。 (^^)/