12月4日朝、写真業界人の間に少しオーバーですが激震が走りました。去る9月29日に隔年開催を終えたばかりのフォトキナが、次回からは5月に毎年開催で、2019年5月8日(水)から11日(土)からだとアナウンスされていたのが、2019年は中止で、2020年5月27日(水)から30日(土)までに延期するとケルンメッセ事務局から12月3日付でニュースレリーズが発信されたのです。実は、この日に一部の写真業界団体には、フォトキナ2019の案内が郵便物で届いたばかりで、その封筒を開けたばかりのところに、次回フォトキナは2020年にというWebでニュースレリーズが届いたので、びっくり仰天というわけです。これに対して、“やはりね”というような声があがりましたが、結果としては2018年9月開催から、わずか7か月後にフォトキナ開催という期間的な短さに問題があったのでしょうが、参加企業にとっては新製品のあるなしにかかわらず、出展に関する費用的な問題は大きく、次回参加を決めかねている企業は多数ありました。
≪ケルンメッセ入り口に貼られた、次回参加を呼びかけるパネル。2018年9月28日撮影≫
≪次回の参加表明した企業を並べて、参加を呼びかけるパネル部分を拡大してみました。9月28日現在です≫
今回の延期は、ドイツ写真工業会と協議してというようなことも書かれていますが、やはり無理があったということなのでしょう。航空券、ホテルをキャンセルなど、皆さん大変ですが、中にはいろいろ予定を組みキャンセルできない人もいるようです。2018フォトキナに関しては、こちらに詳しくレポートがあります。
●アメリカPMAショーはどこ行った
実はその時、私の脳裏を横切ったのは、1924年に発足の歴史をもつアメリカの写真業者団体であるPMAの主催する写真機材ショー“PMAショー”の結末でした。かつて、世界の大きなカメラ関連ショーといえば、ドイツのフォトキナと並びアメリカのPMAショーだったのです。それが、PMAショーが単独で開催されたのは、2010年のアナハイムのコンベンションセンターが最後で、2011年には2度 の延期により事実上の休止であり、2013年にはアメリカのコンシューマー・エレクトロニクスショー(CES)と併催で「PMA@CES2013」という形でCESの一部スペースを使う形で再スタートしたのでが、2015年にDigital Imaging/Photography Preseneted by PMAという形で関係していましたが、2016年の時点ではPMAという文字はまったく見ることができなくなり、その後はPMAそのものの団体が消滅してしまったようです。
≪2015年のCESにて、Digital Imaging/Photography Preseneted by PMAと関係していたように看板はでていましたが、このコーナーにはカメラメーカなどはいなく、実態はなかったのです。キヤノンもニコンもカシオ、リコー、サムスンなどすべてはCESの方のコーナーに出展していたのです≫
もちろん、フォトキナがこのような結末をたどるとは、努々思いませんが、なぜか延期で、PMAショーを思い出しました。PMAショー、CESに関してはこちらに詳しいレポートがあります。
●日本のカメラ、写真機材ショーは
現在日本で行われているカメラ、写真機材ショーは「CP+」と「Photo Next」ですが、そのスタートは、1960年で、来年で60年を迎えるのを記念して日本カメラ博物館クラブ25では、「日本のカメラショー60年」展を開催しています。カメラショー以前の歴史から、さまざまな資料と、カメラショーカタログを展示して「CP+」と「Photo Next」へ至る経緯を12月25日まで展示しています。会期中には担当学芸員によるトークショーも開かれますので、これを機会にお出かけください。
≪日本カメラショーから「CP+」と「Photo Next」まで≫
≪カメラショー第1回目、第2回目、第4回目、第7回目カタログ。パネル展示より≫
≪内部概観。各ショーのカタログはJCIIライブラリーで閲覧することができます≫