写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

ライツパークにカジノ併設か?

 1988年にドイツ・ウエッツラー近隣の町ゾルムスに移転していたライカカメラ社の本社が、2014年5月にライカカメラ100周年を記念して、エルンスト・ライツ社発祥の町であるウエッツラーに26年ぶりに戻ってきて、今年で3年が過ぎました。約27,000平米の敷地は「ライツパーク」と名付けられ、ライカカメラ社の製造、経営管理、カスタマーケア、ライカアカデミーなどの各部門のほか、工場見学コース、ライカストア、ライカギャラリー、フォトスタジオ、レストラン、カフェなどがありました。僕も2014年9月のフォトキナを機に足を延ばしてライツパークを訪れたましたが、その後は大きく変化していないと思っていましたが、ライカカメラ社オーナーのDr. カウフマン氏のSNSを見ていると、ライカが新社屋としてホテルを建設中で、もうすぐ完成だというのです。しかし公園とはいいながらも、工場見学してホテルに泊まるというのも何かピンと来なく、世界中のリペアマン研修の宿泊所でも兼ねているのだろうかと思っていたのです。
 ところが先日、写真仲間であり、「ノンライツRF友の会」の会長である原 昌宏さんが、かつて僕がレポートした旧ウエッツラー市内のライカ聖地巡りを参考にして、ライツパークにも行ってきたという報告を受けました。この新しいライツパークの中には事務棟を兼ねたホテル建設がなされ、さらにカジノができ、カメラ博物館もできるという貴重な情報を写真とともにおみやげとして持ち込まれたのです。当初は、ライカカメラ社の社屋の展示場に、コピーライカとフェイクライカのコーナーがあるという話だったのですが、いろいろ聞くとCASINO構想があり、すでに地図の示されているというのです。これはすごい、さすがドイツであり、文化も企業理念も日本とはまったく異なるわけで、カジノ設置が、よいとか悪いとかいうことでなく、事実だとしたらどうなるのだろうかと、以下にお伝えする次第です。

≪ライカカメラ社の本館ともいうべき建物で、この背後にカメラ工場の建物が長方形に続いている。受付は中央のくぼんだ所から入り、左側がカジノで、現在は食堂、新旧ライカ製品の展示会場やショップ、カメラ組み立て見学コースがある。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

≪建設中のライカホテルおよび事務棟。日本の写真業界でも、かつて樫村が札幌にオークホテル、日東光学が神田にビジネスホテルをやっていたことがあり、現在も鹿児島にホテル京セラがあり、珍しいことではない。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

≪Park内のマップには、MUSEUMとGALERIEと書かれ、CASINOの場所が大きく示されている。それぞれは赤丸で❶(オスカー・バルナックの紹介)〜⓲(ライカ製造所)までそれぞれのブロックの内容が細かく示されている。現在カジノは設置されていなく、上記建物写真の左の部分にあたり、現在は社員食堂と写真展示場として利用されている。もし社員食堂をCASINOと呼んでいるとしたら、まったく理解できないネーミングだ。このほかに従業員用のギャラリーもある。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

≪社員食堂(ライカカジノ)のメニュー。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

≪この時期はちょうど世界のコピーライカとフェイクライカの展示を行っていた。この種の展示は6か月ごとに内容を更新する特別展示だという。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

≪光学精機社のKOL Xebec付きのNippon。1941年、シリアルナンバーは14。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

≪左から:メルコン、レオタックス、上海、Kardon Ried。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

≪左から:キヤノンJII、その背面はハンザキヤノン、さらに右はフェイクライカのライカルクサス(ソ連FED)、撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

≪左:パーク内にあるライツカフェでは、結婚式が行われていた。右:僕のブログをプリントし、持参して大変便利だったという。後ろは旧エルンスト・ライツ社社屋。現在、左はライカマイクロシステムズ社屋、空中渡り廊下を通じた右部分は市役所譲り受けてが使用しているという。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫
 さて、タイトルはライカがカジノをというわけですが、詳細は残念ながら不明です。ホテルは部屋数200近いとされ、事務棟を含めは2018年6月ごろに竣工するとも聞きますが、CASINOが設置されるかどうかは、今現在確証は得られていません。ドイツにはホテルにカジノが設けられている所は10カ所以上あるようですから、もう1カ所増えてもまったく不思議ではないのです。2018年はフォトキナの年、ケルンから少し足を伸ばしてウエッツラーに聖地巡礼するのもよしということですね。 (^_-)-☆

※関連として、「ライカの故郷「ウェッツラーへの旅」、日本カメラ財団「2014フォトキナレポート」をご覧ください。