写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

フォクトレンダー・スーパーワイドへリアー15mmF4.5 Aspherical IIIを使ってみました

 コシナからライカMマウント互換の「フォクトレンダー・スーパーワイドへリアー15mmF4.5 Aspherical III」が発売されました。このスーパーワイドへリアー15mmF4.5の初代は1999年の発売で、当時それまではライカ用の超広角レンズとしてはツァイスのホロゴン15mmF8が良く知られていましたが、すでに販売中止だったこと、しかも中古でも価格が100万円近くして大変高価だったことです。それでもマニアには人気だったのは、15mmという超広角でディストーションがほとんどないことや生産本数がわずか400本と極めて少ないことなどが魅力だったのです。

≪左は、スーパーワイドへリアー15mmF4.5 Asphericalをソニーα7Rに、右は、ライカMにスーパーワイドへリアー15mmF4.5 Aspherical IIIを装着しました。フィルムカメラの時代にライカ使いの人は初代スーパーワイドへリアー15mmF4.5 Asphericalをほとんどの人が持つぐらいのヒット商品でした≫
 そこにコシナからフォクトレンダーブランドで登場したのが「スーパーワイドへリアー15mmF4.5 Aspherical」です。このスーパーワイドへリアーは、F4.5と大口径で、 ホロゴンのように画像周辺と中心の濃度差のバランスをとるセンターフィルターを使わなくても周辺光量の低下が少なく、ホロゴン同様にディストーションも少なく、とにかくよく写り、安価だったのです。たちまち人気商品となり、当初はライカスクリューマウントでしたが、その後、光学系はそのままで距離計連動のMマウント互換のVMマウントのII型となり、さらにフルサイズデジタル対応の光学系へと一新され、このたびのIII型となったのです。

≪ライカ判フルサイズで15mmというと、画角110°で大変な超広角なのです。その110°の画角はどのくらいのものか、いつもの英国大使館をチャートにして、同じ場所から撮影しました。ほかの回の機種でも同じ場面を撮影していますので、比較してご覧いただければ、その画角の違いはご理解いただけると思います≫
 そこで「III型」はフルサイズのデジタル対応になったとされていますが、同じフルサイズでも前モデルとは、何が違うのでしょうか。そしてまず最初にお断りしておかなくてはならないことは、スーパーワイドへリアー15mmF4.5 AsphericalはライカMマウント用のレンズであることなのですが、そしてここで問題になるのはライカ用レンズの付くフルサイズデジタルカメラに限定されるのです。実は最近はミラーレス機でライカ判フルサイズの使えるカメラというとご本家ライカに加え、ミラーレス一眼のソニーα7シリーズがマウントアダプターを加えることにより可能なのです。そこにおける改良への問題点は何だったのでしょうか。新旧スーパーワイドへリアー15mmF4.5 Asphericalを、ライカMとソニーα7Rで多数撮り比べてみました。いつものように京都MJ「ライカに始まりライカに終わる」のサーバーにアップしました。ぜひご覧ください。

≪撮り始めたころに、白と桃色のウメの花が咲いていました。考えている以上に幅広く入り、ディストーションがないことから、何よりも超広角レンズ特有のデフォルメ感がなく自然な描写なのです。≫