写真家・植田正治(1913-2000年)さんが2013年で生誕100年を迎えます。それを記念してJCIIフォトサロンでは、6月5日から7月1日まで、“植田正治作品展「童暦・砂丘劇場」”を開催します。JCIIフォトサロンでは、1991年に植田正治作品展「砂丘劇場」を開催しましたが、今回は新たに加わったペンタックスギャラリーからのコレクションを加えて、約50枚のJCII収蔵作品をJCIIに寄せた直筆原稿などとともに展示するというものです。
また開期中の6月9日(土)には14:00〜16:00まで、写真家、ハービー・山口さんの『ぼくが植田正治さんから学んだもの』というテーマでトークショーが開かれます。ハービー・山口さんは、日頃から若い人たちをテーマに、人々を幸せにする写真を目指して、多くの写真活動を行ってきていますが、若い人々から幅広い年代層にまで多くのファンがいます。一方、植田正治さんは砂丘劇場など、独特な作風から、若い人々にも根強い人気を得ており、鳥取県伯耆町にある「植田正治写真美術館」には、多くの若い人たちが訪れるという、人気の写真美術館です。その若い人たちに人気の植田正治さんとハービー・山口さんですが、当日はハービー・山口さんが感銘を受けた植田正治さんからの言葉や多くの植田作品について語ってくれるそうです。トークショーは事前予約制ですが、お時間の許す方はぜひご参加ください。お申し込みはこちらまで。なお、かつて植田正治さん、ハービー・山口さんと一緒に暗室に入ってプリント作業をした福山雅治さんからもメッセージ届いているようで、当日披露されるとのことです。
ところで、ハービー・山口さんと僕はライカが取り持つ縁で、いままでもいろいろとお世話になってきました。特に僕の担当している東京工芸大学の授業では、毎年、写真を志す学生たちに、ハービーさん自身の若いころの境遇をはじめ、「流行に流されずに、いつまでもブレない写真心を持つように」と、お話してもらっていますが、聞いているうちにぐっとこみ上げてくるものがあり、涙ぐむ人がちらほらというのが、ハービー・山口さんの語りなのです。右上の写真は最新5月24日時の写真です。
上の写真は僕が数年前「植田正治写真美術館」を訪れた時に美術館内から伯耆大山を臨む方向を写した1枚です。晴天ならば大山がしっかりと見えるはずですが、あいにくの雲というわけです。その代わり画面中心には日傘を持った女性が立っています(大きく伸ばせば見えるのです)が、僕にとっては植田正治さんのイメージにぴったりの写真なのです。そういえば、植田正治美術館にはこの伯耆大山をホール壁面に大きく映しだすための超大型カメラオブスキュラがあるのです。