写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

6月1日は写真の日

 いつも「6月1日は写真の日」とこのブログにアップしていますが、今年は6月1日が土曜日であったことから、ここ何十年も続いている関連のイベントであるカメラグランプリ表彰式が5月31日(金)、日本写真協会主催の写真の日の集いが6月3日(金)と分離してしまったのです。以下、簡単に「写真の日」関連の話題をいくつか紹介しましょう。
カメラグランプリ2013
 カメラ雑誌のメカニズム担当記者の集いである“カメラ記者クラブ”が主催して、前年4月1日から、その年の3月31日までに発売されたカメラで最も優秀であったと、記者、雑誌責任者、外部有識者などの投票で決められます。今年は、カメラグランプリ2013大賞に『ソニー サイバーショットRX1』、同じくレンズ賞に『シグマ35mm F1.4 DG HSM』、同じくあなたが選ぶベストカメラ賞に『ニコンD800E』、同じくカメラ記者クラブ賞に『キヤノンEOS 6D』、同じくカメラ記者クラブ賞に『シグマDP1 MerrillDP2 Merrill、DP3 Merrill』が選考されました。今年は家電メーカー系のソニーが大賞を受賞したのが目につきます。これでキヤノンニコンに並ぶ3大カメラメーカーと実質的に認知されたわけです。シグマは、交換レンズとDPメリルシリーズのダブル受賞、ニコンも昨年の大賞D800に引き続くダブル受賞となりました。

左)授賞式にはヨーロッパのTIPA(The Technical Image Press Associationから副会長Jean-Christophe Bechetさんも来日して挨拶をしました。中)大賞の表彰状を受け取るソニーDI事業本部 長の石塚茂樹さん、右)レンズ賞の表彰楯を受け取るシグマ代表取締役社長の山木和人さん

左)あなたが選ぶベストカメラ賞の表彰状を受け取るニコン映像カンパニーマーケティング本部長の岩岡徹さん、中)カメラ記者クラブ賞の表彰状を受け取るキヤノンICP第二事業部長の新堀謙一さん、右)受賞の挨拶を述べるシグマの商品企画部・OEM事業部長の大曽根康裕さん(シグマはダブル受賞で、山木社長が2回受け取りましたが、2回山木さんを載せるよりと技術の大曾根さんの写真にしました。各社とも代表者が、表彰状、表彰楯を受け取り、受賞の挨拶を述べ、技術者が花束を受け取り、開発のエピソードなどを語りました)

上は、会場で見つけた受賞対象カメラです。なぜか微笑ましく感じました。詳しく書くときりがないですが、もっと知りたい方はこちらをご覧ください。カメラグランプリがスタートしたのは1984年で、第1回の受賞機種は日本光学工業の『ニコンFA』でした。オリンパスOM-2との接戦で、評価測光か、マルチスポット測光かが焦点となり決選投票の結果でした。カメラグランプリは創設されてから今年で30年、創設時のメンバーとしては感慨深いものがあります。
■「写真の日」集い
 日本写真協会が主催する「写真の日集い」は、今年は6月3日開催となりました。写真の日集いは、大きく分けて4部に分かれています。第1部は「日本写真協会賞表彰式」で、2013年は作家賞:北井一夫本橋成一 、新人賞:西野壮平、由良環、学芸賞:上野修、功労賞:茶谷茂、山田實の各氏が受賞しました。第2部は「叙勲・褒賞祝賀式典」で、平成24年秋の受章者として、旭日重光賞:吉田庄一郎氏(元ニコン代表取締役社長)、旭日小綬章富山治夫氏(写真家)、第3部は「東京写真月間2013」オープニングセレモニー、第4部は「写真の日」記念パーティーとなっています。東京写真月間は、都内並びに近郊の75カ所以上の写真ギャラリーで、写真月間に協賛・連動した形で写真展が開かれます。このなかでも「アジアの写真家たち、10周年記念特別展-輝けアジア」は、バングラディッシュベトナム、インド、マレーシアの写真家たちの作品展示が都内要所のメーカーギャラリーを中心に行われます。また参加形の「1000人の写真展「わたしのこの一枚」も人気で、こちらには僕も出品してます。

<来日したアジアの写真家さんたち、左下の頭は作家賞の一人である北井一夫さん、右の頭は審査員の一人であるハービー・山口さん>
■写真展-----ハービー・山口「代官山17番地-写真家になる日-」
 いくつかある写真展のうち、6月4日(火)〜6月30日(日)までJCIIフォトサロンで開かれている、僕にとって身近なハービー・山口さんの写真展を紹介しましょう。タイトルは上に示す通りですが、1996年に解体される直前の同潤会アパートの生活模様を写しています。展示作品は過去にアップリンクから出版された「代官山17番地」写真集(現在は絶版)には掲載されなかった作品をメインに、同潤会アパート建築学的にも意義ある形で構成されています。

〈会場初日:ハービー・山口さんと森山眞弓JCII理事長〉
6月4日〜11日までは、やはり東京写真月間協賛展として“三人展・森山眞弓「雑記帳 16」”がJCIIクラブ25で開催されています。また、6月16日までは日本カメラ博物館にて「ブローニーフィルム・カメラ展」が、日本カメラ博物館で開催されています。こちらは中判カメラ持参の方は割引の200円で入館できます。詳しくはこちら

 会期中の6月8日(土)には13:30〜15:30まで、ハービー・山口さん自身による「代官山17番地―写真家になる日―」と題したトークショーも開催されます。すでに多くの申し込みがあるようですが、当日は参加者のじゃんけんによりハービー・山口さんのサイン入りオリジナルプリントがもらえるスペシャルサプライズもあるもようです。