写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

夕陽に映える金閣寺

 中学の修学旅行以来ですから、何十年ぶりでしょうか。金閣寺に行ってきました。最近、なぜか飛行機・ホテル・5時間タクシー観光がついて3万円もしない個人パック旅行を見つけました。ちょうど、5月25日から6月7日まで開かれる、フジフイルムスクエアでの『クラカメ雑談会』写真展に向けて何か1枚を撮らなくては、という義務感からフィルムカメラの“バルダ・バルデッサ1”(1958年、西ドイツ製)を持って行ってきました。タクシーの運転手さんが教えてくれたのは、夕陽に映える金閣寺。それにしても出発当日、東京は雪の日でした。機上の人となって実際に飛び立ったのは一時間後、京都に着き時間が経つと青空が、そして夕陽の金閣寺を見ることができたのです。

 近い感じはありますが、やはり見たままには写りませんね。カラーネガ、カラーリバーサル、コンパクトデジカメ、デジタル一眼と撮り比べましたが、上の金閣寺はデジタル一眼の画像です。あの素晴らしい感動はどうしたら表現できるのでしょうか。さて、フジフイルムスクエアでの『クラカメ雑談会』写真展に出す作品は、これではありません。もっと、楽しい写真をセレクトしました。まだまだ先の話ですが、その前にまた別の写真展を企画参加していますので、時間がきたら順を追って紹介しましょう。ところで僕は、写真関係にいますが、写真家ではないのです。ですから、遊びで写真を楽しめるのです。“Baldessa1”は、ファインダーにブライトフレームはありますが、距離計も露出計もなく完全マニュアルです。フィルムの巻き上げ、巻き戻しはボディ底部のノブとクランクで行い、トップカバー上にはアクセサリーシューしかありません。レンズは、トリプレットタイプのColor-Baldnar 45mmF4.5。トリプレットだからシャープで、抜けもよく鮮やかな発色を示しました。カメラは完全自動の時代ですが、完全マニュアルの勘も残しておきたいものです。