写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

『Enjoyカメラ生活』地方紙で連載

 昨年秋、とある縁から『Enjoyカメラ生活』という“写真を楽しもう”というテーマで、時事通信社から記事執筆の依頼を受け、14回の連載記事を書き、配信してもらいました。
 もともと僕は、雑誌の編集をやっていたのですから文章を書くのは、負担に感じなかったのですが、この連載には随分と泣かされました。というのも、僕は技術系専門誌一筋でしたので、ついつい当たり前のように、専門用語で書いてしまうのです。連載初期は担当記者から何度もダメを出されましたが、何事も勉強とばかりに、頑張りました。そもそも与えられた枠は、シニアのコーナーでしたので、自分もシニアだと自覚して書きましたが、地方紙でそれもシニアの方々に読んでいただくということには神経を使いました。連載は、毎週1回配信されるのですが、それには毎回1枚写真が添付されるのです。その写真ですが、やはり新聞的な写真が必要とされるわけでして、写真雑誌の作例や機材のカット写真とはまた違うわけです。
 通信社の配信する記事は、あくまでも配信先の加盟新聞社が掲載の時期や掲載のスタイルを決めるのです。配信直後「釧路新聞」がまず最初に11月9日から連載をスタートしてくれたのはうれしかったです。以後、なかなか他紙での掲載が決まりませんでしたが、少し時間をおいて、「福島民報」、「静岡新聞」、「山陽新聞」、「京都新聞」、「岐阜新聞」、「山形新聞」などに掲載されていくのですが、その掲載のされ方が各社まちまちなのでけっこうおもしろかったです。掲載文字の大きさは各社各様で、スミ1色での掲載、カラー印刷、2色刷りであったりといろいろなのです。そういう意味では写真は、最初からカラー、モノクロでも通用するものをと要求されていました。
 その14回の連載の内訳ですが、1)広がる写真の楽しさ、2)カメラ選びを楽しむ、3)一眼レフとコンパクト、4)まずは自動で始める、5)小さなものを接近して撮る、6)一眼レフカメラの面白さ、7)動いているものを撮る、8)身近なものを撮る楽しみ、9)写真が持つ不思議な力、10)今やカメラは女性の道具、11)フィルムカメラを惜しむ、12)写真が伝える力、13)プリンターで手軽に楽しく、14)学ぶほどに深まる楽しみ、という内容です。タイトルは配信時に、主題と副題が付けられていますが、そのまま使うもよく、変えるのもよしというわけです。これらの各地方紙の発行部数を総合するとかなりの数となるようです。僕が長らく関係した、専門誌の部数とはとても比較になりませんが、僕にとっては学ぶことの多い記事執筆でした。どなたか、連載中に新聞をご覧になりましたか? 11月に連載スタートし、年を越えて3月中旬には遅れてスタートした新聞もどうにか最終回14回目にこぎつけたようです。