写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

細江英公さんのリレー写真展

 写真家 細江英公さんが1月6日〜5月13日までの長期間にわたり、「細江英公写真展」として銀座の“BLD GALLERY”(ビー・エル・ディー・ギャラリー)で開いています。展示はリレー式で6期に分けられていて、〔第1期、1/6〜1/29〕第1室/第2室「鎌鼬」(ヴィンテージプリント)、第3室:集合写真、稽古風景&舞台写真、〔第2期、2/1〜2/26〕第1室/第2室「シモン・私風景」、第3室:状況劇場舞台写真他、〔第3期、3/29〜3/18〕第1室「おとこと女」、第2室「抱擁」、第3室「ルナ・ロッサ」、〔第4期、3/21〜4/8〕第1室「大野一雄」、第2室「ロダン」、第3室「草間彌生」、〔第5期、4/11〜4/22〕第1室/第2室/第3室「知人たちの肖像」、〔第6期、4/25〜5/13〕第1室/第2室/第3室「薔薇刑」となっていて、いずれも細江英公さんの歴史的な代表作が見られるわけです。とくに第1期の「鎌鼬」(1969年)は大型のヴィンテージプリントで、アグファのポートレイアという銀量の豊富な印画紙を使ったもので、定着処理の未完な部分が時間とともに銀鏡となって表れており独特な表現を醸し出しています(記念写真の僕の頭の上や作品のエッジに銀鏡の輝きが見えます)。なおヴィンテージプリントとは、作家が撮影した時期にプリントされたもので、作家の意図が最も反映されたプリントをいいます。
 写真家の作品展はさまざまな形で行われますが、過去に1人でメーカーギャラリー2か所を使った同時期開催の写真展を開かれたのは見た記憶はありますが、これだけの作品を一般ギャラリーでリレー式に6部に分けて入れ替えで開催できるのも、力のある世界的な作家 細江英公さんならではと思うわけです。見逃したら悔やみますよ。( ..)φメモメモ