6月1日は写真の日。各地でさまざまなイベントが開催されますが、日本写真協会では東京写真月間として、写真の日を前後して企画写真展を主要写真ギャラリーと共同で行っていますが、そのなかで最も人気なのは、新宿パークタワービル1Fロビーにて、一般人参加形で5月22日(土)〜25日(火、14:00)まで開かれる「1000人の写真展」でしょう。この写真展は千円でボードを購入すれば、皆思い思いの作品で、特別な審査もなく誰もが参加でき、佳作も、入選もグランプリなどの入賞はまったくなく、アマチュアからプロまで、そして写真業界の方々が幅広く出品しているるのが特徴です。僕も、ここ5年ほど前から参加していますが、毎年「1/1000人」に埋没しないような作品をと考えて出展しています。今年は、モノクロで「植田正治写真美術館2009夏」という1枚を出品いたしました。
この写真で最後まで悩んだのは、お気に入りの1枚をカラーにするかモノクロにするかということでしたので、同じカットをモノクロとカラーでプリントして何度も見比べました。最終的には、たまたま見ていただいた写真家の後藤九さんのひと言で決まりました。それというのは、カラーでコンクリートの建造物のグレイをだすのは難しいということと、1000人と枚数が多いからモノクロの方が目立つということでした。僕としては、大きく伸ばして真ん中に女性が立っているのを見ていただきたかったのです。この感じ、なんとなく植田正治調で、以前見せた人には、この女性は依頼して立ってもらったのかと聞かれたほどですが、いえいえ、まったくの偶然なのです。ただシャッターを切るときにはこの感じを意識したのは事実です。モノクロとカラーの調子をアップしてみました。カラーかモノクロプリントか、いまでも悩んでます。