写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

「自然の鉛筆」と「動物の運動」



写真術創生期の作品は貴重な資料としていまも残されています。まず最古の写真作品集といえば、W.H.フォックス・タルボットのカロタイプによる写真集「自然の鉛筆=The Pencil of Nature」(1844)です。また1880年代には、E.マイブリッジ、トマス・アイキンズ、マレーらにより、人間や動物の動作写真が盛んに撮影されましたが、マイブリッジの連続分解写真集が「動物の運動」(1887)として残されてます。いずれも感光材料技術の進歩と切り離して考えることはできませんが、この「自然の鉛筆」と「動物の運動」を六本木ミッドタウンにあるフジフイルムフォトミュージアム(写真歴史博物館)で2010年1月4日〜3月31日まで見ることができます。聞くところによると、富士フイルムの図書館に収蔵されているものだとかで、ページをめくって見ることはできないでしょうから、お得意の精密複写プリントで展示だそうです。収蔵品にはまだまだ何かありそうですが、今後を期待しつつ、写真史に残る貴重な作品をぜひ見ておきたいものです。
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