写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

ミュゼふくおかカメラ館

 久しぶりにクラシックカメラの展示と写真展を行う、富山県高岡市にあるミュゼふくおかカメラ館に行ってきました。最近では、知り合いで高岡市出身クラシックカメラ好きの竹内久彌さんが2009年6月から10月まで、カメラが生産された世界の国々を訪れてその国で生産されたカメラで写真を撮影し、撮影したカメラとともに作品を展示した「カメラ故郷に帰る」展をにこちらで開きましたが、僕が前回こちらを訪れたのは「カイトフォト展2001−鳥たちの見る世界−」という写真展をやるためで、何と10年も前のことでした。月日の経つのは早いもので、当時カメラ館は、富山県西砺波郡福岡町にありましたが、いまは高岡市に合併されています。カメラ館の建物は、建築家安藤忠雄氏による設計であり、建物自体がひとつの芸術作品としても知られています。この建物は外観だけでなく内部も特徴があって、初期の安藤忠雄氏の目指すところは自然光を取り入れ、カメラの展示は25台しかしていけないという約束があったと聞いていました。実際は、そのようなことはないようでしたが、会場は常設カメラ展示と写真展示コーナーに分かれており、今回、訪問した時にはメーカーたちが目指したものII(日本編)、ニッコールフォトコンテスト写真展が開かれていました。

左)建物入り口。全体を撮影するのは難しいのです。中)カメラ常設展示場入り口。右)こちらのカメラケースは展示してあるカメラを正面・裏・下などから見ることができるのです。

左)メーカーコーナーのニコン、中)別棟に最近増築されたカメラ収蔵庫は、外から展示物を見ることができるようになっています。右)小物カメラには窓とボックスが設けられこれから展示をするところだそうですが、奥には作業スペースと収蔵棚が見えます。毎年「6月1日の写真の日」にはこちらの収蔵庫を公開しているそうです。
 「ミュゼふくおかカメラ館」の近くには、江戸時代末期に福岡町に伝わったとされる雅楽で使用する楽器や装束をを展示する「雅楽の館」、江戸時代、加賀藩歴代藩主が参勤交代に際して、藩主の喉を潤すのに供された水湧き出る殿様清水(とのさま しょうず)などがあり、カメラ館とともにしっかり時間をとって訪れるのもいいでしょう。