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キヤノン、新光学素子採用の“EF35mmF1.4 LII USM”を開発

 キヤノンは、独自開発の新光学素子「BR(Blue Spectram Refrective)レンズ」を採用したEOSシリーズ用の大口径広角単焦点レンズ“EF35mm F1.4LII USM”を開発、2015年10月中旬より発売すると8月27日に発表しました。
 このBR光学素子は、有機光学材料(光学プラスチック)を分子レベルから見直し、特に収束の難しかった青色波長域を大きく屈折させる異常分散特性をもち、凹および凸のガラスレンズで挟み合わせた複合レンズ「BRレンズ」を採用することにより、きわめて高度な色収差補正が可能とされており、この結果、従来は難しかった大口径レンズの色収差を、より理想的に補正することができるというものです。このために色収差が大幅に低減されて、撮影画面中心から周辺まで優れた描写性能を実現したのです。
 “EF35mm F1.4LII USM”の高画質を実現したのは新開発のBRレンズのほか、キヤノン独自開発の研削非球面レンズ1枚を含む2枚の非球面レンズおよびUD レンズ1枚が採用されており、全体は11群14枚構成で、絞り開放時においても画面の中心部から周辺部まで高画質を実現しているというものです。価格は28万5,000円。フィルター径72mmφ。


 キヤノンは、すでに5,060万画素の高画素タイプ一眼レフ「EOS 5DS」と「EOS 5DR」を6月18日に発売しており、高画質タイプの交換レンズの発売は待たれていましたが、今後はさらなる高画質レンズシリーズの登場が大いに期待されます。