写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

新メーカーのマイクロフォーサーズカメラ登場

 オリンパスイメージングは、1月21日にオーストラリアのBlackmagic Design社(Blackmagic Design Pty. Ltd.)、アメリカのJK Imaging社(JK Imaging Ltd.)、日本の株式会社フォトロン、ドイツのSVS-VISTEK社(SVS-VISTEK GmbH)、そして日本の株式会社ビュープラスなど5社が規格に賛同し、今後これに準拠した製品を発表すると発表しました。マイクロフォーサーズ規格は、オリンパスパナソニックが2008年に共同開発し、賛同企業を募ってきましたが、すでにアストロデザイン、カール・ツァイスコシナケンコー・トキナータムロン、シグマ、シュナイダークロイツナッハ、駒村商会などが賛同を表明していましたが、新たに5社が加わったことにより、スチル用シネ用も強力な陣営となったわけです。と、ここまでは普通のニュースなのですが、僕は何となく、この時期マイクロフォーサーズ規格のカメラが登場するのではないかと気がして、密かに期待していたのです。
 実は、8日〜11日までラスベガスで開かれていたPMA@CESでそれらしきものがこっそりとでていたのです。そこにオリンパスから正式発表、いよいよというわけです。PMA@CESの会場で発表されていたのは、SAKAR(サカール)という会社とポラロイドのブースです。サカールは、かつて70年代はアメリカを代表する光学メーカーである“ビビター”や“ハローキティー”などを始めとした多くの有名ブランドをもち、この時期からは“ポラロイド”や“コダック”の商標を付けた商品も扱うようになったようで、カメラや用品、さらにはタブレットなどを発表していました。
 マイクロフォーサーズのカメラは、「Polaloid iM1030/iM1032」というカメラで、18.1メガピクセル撮像素子、10〜30mmレンズ、コンパクトマイクロフォーサーズボディ、背面3.5”LCDディスプレー、HDMI output、自動瞬き検出、パノラマ機能などがあり7〜9月発売予定、$349となって、写真入りでパンフレットに紹介されていましたが、残念なことに現物はありませんでした。

 ところがもう1台実際に展示されていた「Polaroid iM1836 InterChanble Lens Andoroid Camera」というのが大変ユニークなのです。まず、外観はニコン1にかなり近いイメージで、アンドロイドOS、10〜30mm光学ズーム、軽量・コンパクト、背面3.5”LCDディスプレー、自動瞬き検出、自動顔検出、ポップアップフラッシュ、1080HD video、HDMI output、7〜9月発売予定、$349となっています。何がということですが、交換レンズが10〜30mmズームレンズ、245mm望遠レンズ、50mmプライムレンズの3本ですが、ユニークなのは撮像素子はレンズ内に組み込まれているというのです。10〜30mmズームには1型の撮像素子が搭載のようで、その他の2本は不明です。レンズを外すとたくさんの電子接点と撮像素子、レンズ後部があるのですが、撮像素子表面にはひけがあるし、レンズを後ろから覗くと自分の目玉が見えたのにはびっくり。つまりダミーなのです。だから撮像素子を指で押していいのです。すっかりモックアップだと思ったら、写すことができたので考えてしまいました。さらにユニークなのは、発売時にはアダプターが用意され、マイクロフォーサーズのレンズが取りつくというのです。ならば、アダプターに撮像素子を入れるのだろうぐらいしかわかりませんが、事実だとすると面白いです。会場では、このカメラにマイクロフォーサーズレンズを、マイクロフォーサーズカメラにこのレンズをと、いろいろやってみましたが形状が微妙に異なり、装着できませんでした。冷静に考えれば、あたりまえでした。

 写真左)ダミー撮像素子を指で触るのもOK、写真中)アンドロイド4.1“Jelly Bean”なのです。写真右)サカールという会社はコダックブランドのストロボ、三脚、交換レンズ、などなどたくさんの写真用品も展示していたのです(JK Imagingのニュースレリーズによるとすでにこの時期、売却は成立していたようです)。もし、JK Imaging社とサカールが関係あるなら日本でも発売されるかもしれません(現地の人は日本でも4月に発売するといってましたが)。