写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

フジフイルムX-Pro1

 最近、FINEPIX X100、FINEPIX X10と矢継ぎ早にクラシックスタイルのコンパクトデジタルカメラXシリーズを発売して元気な、富士フイルムからレンズ交換式のミラーレス機“FUJI FILM X-Pro1”がCESの会場で実機展示され発表されました。
 イメージャーはAPS-C判で、レンズマウントは3本爪の10ピン電気接点付き新“Xマウント”、フランジバックは17.7mmと薄型ボディなので、マウントアダプターが用意されればAPS-C判同士のソニーNEXシリーズやリコーGXR+マウントA12の良きライバルとなりそうです(富士フイルムからオリジナルでライカMマウントレンズアダプターは発売されるようです)。交換レンズは単焦点のみの3本で、XF18mmF2R(35mm判27mm相当画角)、XF35mmF1.4R(35mm判53mm相当画角)、XF60mmF2.4R(35mm判91mm相当画角)が開発されています。なぜ単焦点レンズだけなのでしょうか。これは、光学ファインダーが3焦点のブライトフレーム対応にしているためですが、しかしEVFと背面液晶では、ブライトフレームの枠を外れた焦点距離やズームレンズも使えることになります。

 さらにX-Pro1ならではの特徴として“X-Trans CMOS”と呼ぶ新しいフィルター配列のCMOS撮像素子を使っていることも大いなる注目点です。これは従来のベイヤー配列(左)が2×2ピクセルユニットであったのを、6×6ピクセルユニットの新配列(右)を採用したことです。これに加え、光学ローパスフィルターをなくしたために高画質が得られるというものです。ミラーレス機で撮像素子にCMOSを使い、光学ローパスフィルターを省略したのには、リコーGXR+マウントA12とペンタックスQがあり、どちらも高解像が知られていますが、これに新フィルター配列、1600万画素というのはどのような画質を生み出すのでしょうか。これだけは実機を使ってみなければわかりませんので、発売後のお楽しみとなります。価格は標準レンズ付きで20万円を少し超えたところと噂されていますが、2月9日からのCP+2012では現物を手にすることができるはずです。
【1月26日に富士フイルム正式発表しました】