写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

ニコンD7000とソニーα55の進化

新しいカメラ2台が同日手元へ届きました。「ニコンD7000」と「ソニーα55」なのです。どちらもAPS-Cイメージャーを使っていますが、2台のカメラをじっくりと見ていたら、それぞれが1つの進化形であることに気付きました。ニコンD7000は、光学ファインダーを採用し、ボディを小型化させて視野率100%としたカメラで、一眼レフカメラです。ソニーα55は、一眼レフの形をしていて、従来からのαシリーズ一眼レフの交換レンズを使うことができますが、“レンズ交換式デジタルカメラ”であって一眼レフカメラではないのです。

☆写真を見てわかるように、ニコンD7000が小さくなったと思ったら、ソニーα55はもっと小さく、軽いのでした。

実際、ソニーα55のファインダーをのぞいて、あれ!という声を上げた人を見たことがあります。それもそのはず、外観からして光学ファインダーを採用した一眼レフだと思って見てみたら、EVF(Electronic View Finder)なのでなーんだという感じなのです。ではあのペンタプリズムに似た部分には何がということになりますが、ボディ内のミラーを反射した一部光線が上部に導かれて、位相差検出AFを行おうというのです。ソニーでは、トランスルーセントミラー・テクノロジーと呼んでいますが、従来の一眼レフであるα550より、容積で23%、重さで26%軽量化されたというのです。このような機構を採用することによりAFは高速化され、10コマ/秒という高速連写も可能となりました。このほか、撮像感度はAUTOでISO100〜1600、スイングパノラマ撮影、3Dスイングパノラマ撮影、内蔵GPS機能による位置情報の記録、フルHD(1920×1080)の動画撮影と盛りだくさんなのです。
一方、ニコンD7000ですが、撮像感度はISO 100〜6400と幅広く、約6コマ/秒で連写可能、フルHD(1920×1080)の動画撮影が可能などが特徴です。さてどちらがどうか、など比較するのは大変難しいです。数値で追いかけるとどちらもファインダー視野率100%、などなどですが、根本的には「光学ファインダー」か「EVF」かというところになるでしょう。光学ファインダーは極端な高輝度下の被写体でもむりなく見られますが、EVFはつらいところがあります。その逆に、EVFでは暗いところでもある程度明るく見えるという利点がありますが、いずれにしてもニコンD7000もソニーα55も、どちらも今後のカメラの在り方を示したことには違いないわけです。要は、D7000はニコン一眼レフとしての正統進化の結果であり、α55ソニーとしてのデジタルカメラの進化の形だと思うわけです。ニコンの関係者に聞くと、D7000は一般ユーザーに加え、プロがサブ機としても求めているそうです。ソニーα55はというと、聞いていないのでわかりませんが、初心者が使うにも全く問題ないのはいうまでもありませんが、フルに機能を使いこなすには、かなりの好きものでないと、という気がしました。
それにしても、オリンパスパナソニックマイクロフォーサーズ、リコーGXR、ソニーα55とα33など、いままでのカメラ分類では語れないカメラが続々とここ数年で登場したわけですが、まさにデジタルカメラならではの進化形であるわけです。