写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

ニコンD810を使ってみました

 ニコンから3635万画素のD810が2014年7月17日に発売されました。先行した、3630万高画素機ニコンD800が2012年3月、ニコンD800Eが2012年4月の発売でした。それから約2年の歳月を経て、改良機D810が発売されたわけですが、どのように改良されたのでしょうか。僕にとっては、この2年間で最大の関心事でありました。まずD800とD800Eは、どちらも同じ撮像素子を使った高画素機で、その違いは何なのかということですが、光学ローパスフィルターのあるなしだとされていました。光学ローパスフィルターは一般的にD800シリーズのように画素ピッチの細かい高画素タイプだと実用上はなくてもいいとされています。ただ、D800Eの光学ローパスフィルターレスは、フィルターがないのではなくフィルターの効果を打ち消すように光学ローパスフィルターを重ね合わせたというのです。なかなかこのあたりは理解に難しく、簡単には合点がいくのですが、よくよく考えると、実際はどうなっているのだろうかということになるのです。でも結局、最新モデルD810では単純な光学ローパスレスとなったのですから、最終的にはこのあたりに集約されるのが必然的な流れだったと思うわけです。

 ということで、D800、D800EとD810を代表的なスペックを抜き出してみたのが上図で、同じ高画素のCMOS撮像素子を使ったカメラとしてソニーα7Rも参考までに載せました。ご存じのようにD800シリーズは一眼レフカメラ、α7Rはミラーレス一眼というわけですが、スペックの集約の仕方によってはその差はわからなく、唯一光学ローパスフィルターのあるなしが相違点であり、D810が光学ローパスフィルターレスになったのは十分に納得いく発展形態であるわけです。そして僕の最大の関心事は、6月26日付ニコンD810のニュースレリーズに書かれていた『 高精度なAF に加え、カメラ内部で生じる振動を大幅に低減したことで、有効画素数3635 万画素の解像力を最大限に引き出した、いっそう鮮明でクリアな画像を提供します。』という一文です。これは2年前にD800Eを使った時から、かなり感じていたのです。このあたりを重点にして、いつものように京都メディアジョイのサーバーに「第24回・ニコンD810を使ってみました」として多くの作例とともにアップしました。いずれも画素等倍まで拡大して見ることができます。そして、驚きの事実が判明しました。そのきっかけは、以下の写真からです。

【ボトルをアップ】ニコンD810、AFニッコール35mmF2D、手持ち撮影、絞り優先AE、F2・1/20秒、ISO800、AWB

ダボハゼおじさん】ニコンD810、AFニッコール35mmF2D、手持ち撮影、プログラムAE、F2・1/4秒、ISO100、AWB
 お分かりですか。もともとAF精度が低いということで使うことが推奨されていなかったDタイプレンズで、AFが安定して合焦し、いずれも手持ち撮影でブレないのです。ボトルが1/20秒、ダボハゼおじさんに至っては1/4秒なのです。すでにD810を購入して楽しんでいた友人も、手持ちではこんなスピードで撮影できるわけないと試していませんでしたが、この事実を聞いてから、手持ち1/5秒撮影を成功させびっくりというわけです。詳しくは、京都メディアジョイサーバーの「第24回・ニコンD810を使ってみました」をご覧ください。カメラの機械部分をツメテいった結果でしょうが、やればできるのですね。 ( ^)o(^ )