1月20日だったか、全国の新聞広告に富士フイルムが80周年記念としての全面広告をだしましたが、その記念新製品のトップに顔を出していたのがミラーレス一眼の「フジフイルムX-T1」です。そのデザインは一眼レフカメラそのものであり、話題性十分でありました。2月15日に発売されたので、すでに使われている方もいるでしょうが、この時期入手することができましたので、簡単にその印象を報告することにしましょう。まずご覧いただきたいのが外観です。フジフイルムX-T1とニコンFに関しては、いまさらどちらが、どうでという紹介は避けますが、少なくてもカメラに詳しくない人にとっては、どちらも同じ種類のカメラとして分類されてしまうほど、外観的な違いはありません。
さて、それではクイズです。『上の写真を見て、ミラーレス一眼と一眼レフの違いを最も端的に表している部分があります。どこでしょう?』というわけですが、僕のクイズはわりとストレートですので、ある程度カメラの機構がわかっていればすぐわかるでしょう。とはいっても解答はお預けで、巻末に掲載することにしました。X-T1の基本性能としては、独自開発のAPS-Cサイズ、1,630万画素、ローパスフィルターなしのX-TransCMOS IIセンサーを搭載し、さらにレンズの性能を最大限に引出す独自の画像処理技術である点像復元処理を搭載。レンズごとの光学性能や特性を元に、回折現象などの光学的影響を補正するので、画像のすみずみまで高いシャープネスとリアルな立体感が得られるというのです。このあたりの言い回しは、富士フイルムのWebサイトからのコピー&ペーストに近いわけですが、昨今の新製品で人気のフルサイズ機ソニーα7R、ニコンDfなどに比べて、APS-Cという画面サイズでも熱狂的なファンを擁しているのが、富士フイルムのミラーレス機であり、とりわけ“X-T1”だと思うのです。それにしても、フィルムカメラ時代の一眼レフのデザインを踏襲というのは、そろいもそろったりで、その操作性もいかにわかりやすくさせるかというのもトップカバーの上面を見ればよくわかります。特にX-T1とDfは近似してますが、細部のロック機構の考え方などには違いを見ることができます。こういうことを書き出すときりがないので、さっそく実写結果をお見せしましょう。
《XT-1 Ver 1.0、レンズ:FUJINON ASPHERICAL LENS SUPER EBC XF18〜55mmF2.8-4、撮影焦点距離:23mm(35mm判相当35mm)、AF、絞り値・シャッター速度:F5.6・1/300秒、ISO100》
特にあれこれと、さまざまな場面での撮影は避けて、まずはいつもの英国大使館の正面玄関です。撮影条件としては、いつもは午前10:30頃ですが、この日は12:00ぐらいとなりましたが、快晴で撮影条件としては恵まれていました。撮影は2:3フルの4896×3264ピクセルですが、この画面で見るために全画面は左右640ピクセルにリサイズしてあります。また、右の写真は大使館のエンブレムを画素等倍に伸ばしてあります。この画質に関しては、よく写っているのは間違いなく、もし違いがあるとすればどのようなレンズを使ったかにもよるわけです。似たような仕様の例としては、同じAPS-Cのレンズ交換式として「フジフイルムX-E1」と「ペンタックスK-3」をこのブログで取り上げていますので参考にしてください。ただし比較するといっても、ズームレンズと、単焦点レンズ、さらに焦点距離と被写体が異なれば当然違って見えるわけでして、そのあたりを考慮してください。
先ほどの答えは、ミラーレスはファインダーからの逆入光がありませんのでレンズは黒く見え、一眼レフはファインダーからの逆入光があるからレンズが白く曲率も見えるのです。これが上掲写真から判断できる一番の違いでしょう。