写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

銀塩黒白プリント(その2)


2回目に「銀塩黒白プリント」をテーマに書き始めたら、慣れないために本題に入らないうちに終わってしまいました。「ま、明日以降ボチボチと」というやさしいコメントをいただきましたが、少しは気にしていました。ただその後の反響を見ていて気づいたのは、どんなレンズで撮ったかを、けっこう皆さんが注目されていることです。
そこで冒頭の写真ですが、Summaron 35mmF2.8を使い、絞り開放F2.8で撮影しました。カメラはフルサイズです。それで、どうしてこの写真が「銀塩黒白プリント」プリントなにかということです。実は、ここに写っている3人は銀塩の黒白プリントをやっているプロラボの方々なのです。たまたま(逆から読むと?)知人に誘われ例のこどじに顔を出したら、みごとお三方が横並びになったのです。
左から「モノラボナショナル」の荒和彦さん、「田村写真」の田村政実さん、「フォトグラファーズラボラトリー」の平林達也さんというわけです。この日12月9日は、日本プリンター協会の忘年会だったとかで終了後、荒さんと、田村さんが前後して平林さんの写真を見にきたのです。銀塩で黒白を焼くラボといってもそれぞれ特徴があり、モノラボナショナルはフィルム現像から引き受けてくれますし、田村写真は粗粒子現像といった特殊なフィルム現像もやり、プラチナプリント、レンタルラボも営業品目に入っているのです。「フォトグラファーズラボラトリー」は先日写真文化勲章を受賞した斉藤寿雄さんがいて、8×10フィルムからの引伸ばしも引き受けるというのが、ウリです。最近、銀塩黒白ラボがなくなっているとお嘆きの方も多いわけですが、何かあったら問い合わせてみるのもいいのではないでしょうか。

帰り際に、荒さんから素晴らしいおみやげをプレゼントされました。黒白写真好きならおわかりでしょうが、森山大道さん代表作「三沢の犬」ピンバッチです。去る12月4日に東京恵比寿のNADIFFapartギャラリーで「森山大道 Around Magazine Work 1965-1974」という写真展兼イベントが始まりましたが、そのプリントの一部を荒さんが担当されたとかで、オープニングレセプションに声をかけられたのですが、時間に遅れたためお会いできませんでした。ただその旨お伝えしたら、いただけたのです。12日17:00からはギャラリートークが、写真展は1月17日まで開かれているようです。