写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

ニコンの次の手が見えてきた

ニコンの後藤研究室室長後藤哲朗さんが1月13日にフランスのパリ日本文化会館で『History and Development of camera in japan』と題した講演をされてきたようですが、そのときにフランスの媒体(Focus Numerique)にインタビューをうけて、かなり技術的にいろいろ答えています。少なくとも日本のマスコミには答えないような突っ込んだ内容です。以下に要点を紹介しましょう。詳しくはオリジナルを参照してください。
●中判カメラ:画質は重要だが市場が限られているし、画質、価格、重さでD3Xを選ぶ人もいる。われわれは中判のニッチ市場の経験がないし、ニコンが中判に参加するのは不可能かもしれない。●マイクロフォーサーズ:このタイプのカメラを出すとしたら、われわれはマウントを変更する。新マウントは新しい機会をもたらす新しい技術の採用とより小型・軽量化を目的するだろう。置き換えではなく従来のマウントとも並立する。●大型センサーのコンパクトカメラ:研究中で、近日中にお知らせできるだろう。●EVF:研究中であり近い将来、EVFも使う可能性がある。しかし、現在のEVFのクオリティーではまだ不足の面がある。●SWM(超音波モーター):われわれは将来のために(SWMの)新しいシステムを研究中だ。●ニコノス:個人的にはニコノスは将来よみがえると思う(水中カメラニコノスのオリジナルモデルは、フランスのラ・スピロテクニーク社のCalypsoであるためにこのような質問がでたのでしょう)。●撮像素子:われわれはD3X、D300D3000D5000ソニーと提携してきた、一方でD3、D3sD700はわれわれの独自設計のセンサーである。小型センサーとAPS-Cセンサーでも独自のセンサーを使いたいと考えている。しかし、これには少し時間がかかるだろう。生産規模を拡大しコストを下げる必要があるからだ。
また、ニコンの苅谷道郎社長はSankeiBizの1月21日付けの『新春に語る』インタビューで、「確かに、一眼カメラのシェアが上がり、一眼レフの老舗2社のシェアは落ちている。当社の一眼レフの売り上げを落とすことなく、その上のラインアップに加える形で、新しい『次世代カメラ』システムを投入したい。単に入力機器というのではなく、新しい楽しみ方を提案する予定で、タイミングよく進める。フィルムカメラからデジカメに切り替わったときのショックのようなインパクトのあることをやりたい」と答えています。
さて、このお二人の発言から、あなたにはどのようなニコンの次のカメラが見えてきますか?