写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

元朝鮮戦争従軍カメラマンのお話

12月20日(日)午後1時から浅草雷門区民館で、朝鮮戦争に従軍したカメラマン『藤村一郎さんを囲む会』というのが開かれると元フォーカス・カメラマンの福田文昭さんから以下の連絡をいただきました。

朝鮮戦争従軍記者と戦後のマスコミで活躍した写真家達の素顔」を話していただきます。藤村さんは、日本橋生まれにして、なんと慶応ボーイの江戸っ子。粋に約60年間写真で飯を食ってきました。戦後すぐ来日してきたライフの支局長、ジョニーフロリア邸のハウスボーイが仕事のスタートでした。ここは後に日本のライフを目指した「週刊サンニュース」を引き継いだ山端さんの邸宅でした。名取洋之助木村伊兵衛や稲村隆正との交流。INP通信社では三木淳と同期だった。福田がサンテレフォト通信社に入った1967年には隣の田沼武能氏の写真事務所に同居されていました。我々世間知らずに色々の事を指導頂いた。いまも、現役で写真を撮っています。20日は、我々の大先輩へのインタビューを福田が担当します。

 ということで、私も出かけましたが、定刻には予定を超える26人ものカメラマン、ジャーナリスト、編集者、写真研究者の方々が集まっていました。さて、この内容をいかに伝えるかとブログへの掲載を躊躇しておりましたが、素晴らしいことに当日の出席者である福田徳郎(元朝日新聞社出版写真部長)さんが「元朝鮮戦争従軍カメラマン藤村一郎さん、戦後の報道を語る」としてインターネット新聞JanJanに掲載ということで、そちらをそっくりいただきました。当日は、大判写真師の柳沢保正(元朝日新聞記者)さんがスピグラ(スピード・グラフィック)を持参して、出席者全員で終了後記念写真のつもりの機材が、藤村さんと福田徳郎さんがスピグラの使い方を実演となり、カメラ好きにも見逃せないお勉強会となりました。

藤村さんの実演に続き、飛び入りで実演した福田徳郎さん。何でも、スピグラの操作は17カ所あり、それで撮影態勢にはいるそうです。フィルムフォルダーを詰めて、距離を合わせて、シャッターをセットして、ファインダーをのぞき、空撮の仕方だそうで、軽くジャンプしてシャッターを切り、膝でたたいてホルダーを外す…。いやー実にリズミカル。終わると拍手喝采!!。ちなみに当日のスピグラは城靖治(元カコストロボ)さん所有の軍用でした。
◇追記◇「豪快!大判を目測で撮る」と題して新・平成写真師心得帳で柳沢保正さんが、同日のお勉強会をブログにアップしました。それぞれ3人の視点で「藤村一郎さんを囲む会」を見ています。当日参加者の集合記念写真もあり、必見です。