写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

シグマdp2クアトロを使って

 シグマから新型のフォビオン・クアトロセンサーを搭載した「dp2クアトロ」が2014年6月27日に発売されました。外観デザインもユニークですが、気になる写り具合は、新型のクアトロセンサーによると約2,900万画素で、通常のカラーフィルターアレイセンサーの3,900万画素相当の画質を作り出せるというのです。実際、どのような写りを示すのでしょうか、さまざまな実写結果を得ましたので、いつものように京都メディアジョイサーバーの「ライカに始まりライカに終わる」第二十五回に「シグマdp2クアトロ」としてレポートしてみました。ぜひご覧ください。

 ところで、僕が「シグマdp2クアトロ」のレポートをなかなかアップしないので、何か納得できない問題があるのだろうと、すっぱい勘繰りを入れた人もいるのですが、そうでもなく、実はフォビオンセンサーが登場したときもそうでしたが、画素数はそんなでもないのに、確かに解像感があるのだというあたりにもういちど引っかかってしまったのです。昨今の高解像度カメラの登場により、さまざまな問題が提起されましたが、この時期画質が解像度だけではない、他の要素も加わわるのではないかという印象に確信を持ったのです。まず「dp2クアトロ」の撮影解像度設定は3種類あります。縦横比3:2では、SUPER-HIGHで7,680×5,120ピクセル、HIGHだと5,424×3,616ピクセル、LOWだと2,704×1,808ピクセルとなります。このうちSUPER-HIGHモードはJPEGのみでの撮影が可能で、今回の撮影は、RAWデータも欲しいこと、必要以上に大きなファイルを作ることはないだろうと考え、すべてを中間のHIGHモードのRAW+JPEGで撮影しました。シグマによると、Quattroセンサーの約2,900万画素で、カラーフィルターアレイセンサーの3,900万画素相当の画質を作り出せるということのようなのです。それだけ高画素機であるわけですが、ところがその画素数だけでないところがミソで、今回はHIGHモードの5,424×3,616ピクセルで、画素数以上のパワー(解像感)あるプリントが得られたのを実感しました。このあたりは、バイアー方式などのデモザイキング処理されたフィルターアレー方式とフォビオンならではの垂直記録の特性の相違からくるのか、あまりにも専門的なので、解説に苦しむところです。とはいっても、最終的なプリントの画質は、撮影解像度、レンズの解像度、プリンターの解像度などがコミで表れてくるわけです。

 いつものように英国大使館の正面玄関も撮影し、さらに、そのファイルを850×1100mmに大きくプリントしてみましたが、プリントは見ていただけないので、リサイズのないオリジナルデータでその実力をご確認ください。それ以外の作例も豊富で、結果を多数、メディアジョイのサーバーに載せています。ぜひこの先を、お楽しみにしてください。 (*^o^)/\(^-^*)

 ■シグマdp2クアトロは中判カメラ
 僕が「シグマdp2クアトロ」を使った印象で、結論付けたことはdp2クアトロは中判カメラだということでした。
 これは、1)画質が中判カメラに匹敵する。2)カメラデザインならびに寸法が特異でコンパクトカメラの域を超えている。などから考えたわけですが、その後中判カメラとしてかつて人気のあった"マミヤプレス"のロールフィルムホルダーの形態からしても、中判カメラだと一部で紹介したところ人気を呼びましたので、改めてこの『写真にこだわる』にて、写真を追加掲載いたします。また、シグマのフォビオンはAPS-Cの23.5×15.7mmですが、垂直記録方式であるためにバイアー方式などのデモザイキング処理されたRGBフィルター方式の3倍の面積に匹敵するので、中判なみではという考え方も一部から示されました。物は考えようですね。 !(^^)!