写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

レンズ付フィルムがもたらしたもの

 すっかり世の中デジタルになりましたが、フィルムカメラの生産が見えなくなったいまもなお、生産し続けられているのが、レンズ付きフィルムです。このレンズ付きフィルムの登場は、富士写真フイルムから1986(昭和61)年に発売された「フジカラー・スーパーHR100 写ルンです」が最初ですが、今年2014年に、国立科学博物館が選定する「未来技術遺産」に登録されたされました。その登録記念に、日本カメラ博物館では、レンズ付フィルム製品以前の試作品から、ストロボ内蔵、広角、望遠、3D、キャラクターもの、ご当地もの、記念品としてのモデルなどなど、さまざまなレンズ付きフィルムを特別展として展示しています。

 会期は、2015年1月25日(日)までですが、レンズ付フィルムを持参された方は入館料が200円に割引されます。これを機会にフィルムカメラ好きの方は、必見の展示会です。

          ■レンズ付フィルムがもたらしたもの!講演会■
 会期中の12月13日(土)には、『レンズ付フィルムがもたらしたもの』というテーマで、元富士写真フイルム(株)LF事業部担当部長であった深野彰氏による特別講演会が開かかれます。講演は、フィルムでありながらカメラでもあったレンズ付フィルムの技術、使用後レンズ付フィルムパッケージの後始末として、早い時期に資源保護の立場からリユース、リサイクルなどを打ち出していました。
 これら、カメラ技術の進歩、さらにはリユース、リサイクルの思想、具体的な処理の技術などもお話しいただきます。フィルムカメラとしては、きわめてシンプルでしたが、機械的にはかなり精度高く作られました。これらの技術と思想についてお話をうかがうことができます。なお、深野彰氏は、これらの功績で、大河内技術賞を受賞しています。
 なお当日は、講演会と展示会を見て入館料300円となります。今現在、お席に余裕がありますのでふるってご参加ください。ご希望の方は、「日本カメラ博物館」まで予約いただければ幸いです。