写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

リコーとペンタックスのレンズ交換式小型カメラ

 ペンタックスリコーイメージングが、8月1日から社名を「リコーイメージング株式会社」に変更すると発表しました。取扱い商品のブランドは、今まで通りペンタックスとリコーの2ブランドでいくようですが、これで少しすっきりしたのかなという感じです。実は吸収合併当時にペンタックスHOYAとリコーの関係を調べたことがあるのですが、海外の現地法人の関係を見ていましたら、けっこういまでもHOYAの傘下にPENTAXという会社がたくさん存在するのです。主にメディカル系ですが、PENTAX of America, Inc.(アメリカ)、PENTAX Europe GmbH(ドイツ)という会社がHOYAの子会社としてホームページにぶら下がっていて、さらにそれぞれの国には、pentax.uk(イギリス)とか、pentax.fr(フランス)とか、pentaxitalia.it(イタリア)とか、pentax.de(ドイツ)などなど独自ドメインで会社があるのです。これでは、ユーザーにとってはカメラのPENTAX RICOH IMAGINGを含め、なかなかわかりにくいなと思っていたら「リコーイメージング」に統一するというので、やっとこれで少しはすっきりしたのかなというわけです。
 と、難しい話はここまでにして、改めて考えてみたら、歴史的にどちらもレンズ交換式の小さいカメラ作るのが好きであったようです。そして今もその伝統は生きているというわけです。まず、下の写真を見てください。

左:【ゴールデンリコー16】1959(昭和34) 年の発売。同名の「カメラにゴールデンステキー」がありますが、企業名を理研光学からリコーに変更(1963年4月)するため、カメラの名称をリコーに変えた内の1機種。16mmフィルム専用マガジン使用、画面サイズは10×14mm。スクリューマウントで、リケンリコー2.5cmF2.8が標準レンズ、交換レンズに4cmF5.6がありました。初代ステキーが発売されてから10年後の製品で、輸出地アメリカからの要請で金色仕上げとしていましたが、クロームと黒仕上げもありました。中:【ペンタックスオート110】1979年の発売。110カートリッジフィルムを使うペンタプリズム式の一眼レフ。画面サイズは13×17mm、バヨネットマウントで、標準レンズは24mmF2.8、当初は広角の18mmF2.8、望遠の50mmF2.8の交換レンズが用意され、専用ストロボ、専用ワインダー、専用クローズアップレンズなどが用意されました。ボディはブラックのほか、写真のマロンも発売されました。右:【ペンタックスQ】2011年8月発売。1,240万画素、1/2.3型の裏面照射型CMOSセンサーを採用。この1/2.3型のセンサーは、4.6×6.2mmの画面寸法で、標準レンズは01スタンダード・プライムレンズSMC PENTAX 8.5mmF1.9です。35mm判換算するときは5.53倍しますので、8.5×5.53≒47mmとなります。ここに掲載のレンズは、02スタンダードズームSMC PENTAX 5〜15mmF2.8-4.5です。ペンタックスは、フィルムカメラの時代には67判、645判、35mm判、110判と4系列のレンズ交換式の一眼レフカメラを作っていました。なおペンタックスQはこの後進化して、2013年7月に上位機種として画素数は同じ1240万画素の1/1.7型裏面照射型CMOSセンサーを採用した「ペンタックスQ7」を発売してます。センサーサイズが約140%アップしたということで、さらに高感度に対応し、高画質になったようです。なお、同じプライムレンズ8.5mmは、約4.6倍で35mm判で39mm相当の画角となります。

 せっかくですから、レンズを外したところもお見せしました。ゴールデンリコー16とペンタックスオート110はビハインドシャッターです。リコーとペンタックスがレンズ交換の小型カメラが好きな会社だったということおわかりいただければ幸いです。
 リコーがHOYAペンタックス事業を買収と発表したのは2011年7月1日のことでした。それから2年たった2013年8月に会社名の統一が図られたわけですが、2003年にコニカミノルタ経営統合し、持株会社コニカミノルタホールディングス株式会社」を発足させ、2013年に社名をコニカミノルタ株式会社としたのとは、また事情が異なるようです。