写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

ソニーサイバーショットRX1の撮影光学系

  最近ぼちぼちと「ソニーサイバーショットRX1」を手にした人を見るようになりました。実際、使っている人にその使用感を聞くと、レンズがシャープだ、フルサイズなのに小型・軽量だなどが共通した印象のようです。本ブログでも発売日に入手し「サイバーショットDSC-RX1を使ってみて」と、即レポートしたのは11月18日のことでした。そのときに一番疑問に思ったのは、レンズ構成図が発表されていなかったことです。ソニーの各方面関係者にいろいろとその疑問をぶつけてみましたが、なかなか答えは得られませんでした。そんな時に1月8日からアメリカで開かれたCESで、サイバーショットRX-1の実物ユニット展開ディスプレーを見つけました。これだ!と、レンズユニット、それも最後部のガラス部分を撮影したのですが、そのときはどう見ても最後玉は凸状態に見えたのです。そこで、なんとか話を盛り上げようと「旧コンタックス ゾナー8.5cmF2とソニー ゾナー35mmF2」という項目を作り、レンズユニット後部の凸面が見えるようにと1月20日に写真をアップしたのです。そのときの写真と同種のものを右下に載せましたが、どう見ても最後部は凸に見えるのです。
 ところが2月1日の“CP+技術アカデミー”で「サイバーショットRX1およびRX100の開発」というテーマで、ソニーの星篤志さんの講演が行われ、そのなかでサイバーショットRX1のレンズ構成図が発表になったと、僕のブログ愛読者TKさんから連絡があったのです。早速、講演予稿集に掲載されている構成図を、TKさんからコピーしていただきましたが、それ(下図)をみてびっくりしたのです。なんと7群8枚構成最後部のガラスが凸でなく、平面になっているのです。

 正直これには驚きました。レンズ最後部は平面で、さらにイメージセンサーとの間隔が極端に狭いのです。この図面からすると最後部のガラスはテレセントリック性をもたせるためだろうかとか、何となく想像できるのですが、それ以前に見た目と写真では平面でなく凸面だったのに不思議です。その原因として、1)展開ディスプレーのレンズユニットをはめるときに前後を間違えた、2)図面を起こす時に最後部ガラスの前後が入れ違った、3)目や写真には凸面に見えたり写っても、最後部ガラスの内側にある曲面の反射像が見えていて錯視というか虚像を目もカメラも見ていたというようなことも考えられます。そういえばコンパクトカメラで背面液晶を見て合焦したのにシャッターを切るとなぜかピンボケが続出したのです。ですから右上の写真もピントがいまいちなのです。結局、下衆の勘ぐりであれこれ考えても、こちらも手元にあるカメラを分解するわけにもいかず、作っているメーカーが平面の図面を公開しているのだから、レンズ最後部が平面であるのは間違いないのです。なお、サイバーショットRX1の実物ユニット展開ディスプレーはCP+2013のソニーブースにも展示されていました。(ー_ー)!!