写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

フルサイズのミラーレスとコンパクトはソニーが一番乗り

 フォトキナ直前に各社から続々と新製品が発表されていますが、ソニーは12日にフルサイズのカメラを2機種を発表しました。1台はレンズ交換式デジタル一眼カメラ“α99”『SLT-A99V』(発売10月26日)、もう1台はレンズ非交換のコンパクトカメラ“サイバーショット”『DSC-RX1』(11月16日発売)です。簡単にいえば従来からのαAマウントレンズを使用するレンズ交換式のα99とコンパクトのサイバーショットとなります。このうちα99には従来からのトランスルーセントミラー・テクノロジーの位相差AFに加え、新たに像面位相差検出方式を加えた“デュアルAF システム”を採用しています。サイバーショットDSC-RX1には単焦点カール・ツァイスゾナーT*35mmF2レンズ(7群8枚構成)が搭載され、別売でカール・ツァイスの設計した光学ファインダーが用意されます。注目すべきは撮像素子で、どちらもフルサイズ(35.8mm×23.9mm)で、有効画素数約2,430万画素の“Exmor”CMOSセンサーを採用していることで、スペック表をよく見ると、α99には「RGB原色フィルター付」と書かれているのに、DSC-RX1にはその記述がないのです。では、Foveonのように色フィルターなしの撮像素子かそれともCMYの補色フィルター方式かとも一瞬思いましたが、考えすぎで、単に担当部署の違いにより記述が異なっただけのようです。DSC-RX1はコンパクトカメラですが、画面縦横比は2:3です。またAマウント用の新レンズとして、35mmフルサイズ対応の大口径標準レンズ「Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM」の開発を進めていて、2013年春に発売を予定しているようです。いずれにしてもくわしくはソニーのニュースレリーズを参照下さい。

 すでに僕のブログでは2012-08-29付けで各社新製品が動き出したと紹介しましたが、その後富士フイルムから9月6日付けでX-Pro1から光学ファインダーを省略したX-E1とXマウント用18-55mmF2.8-4ズームと14mmF2.8単焦点レンズが海外向けに発表されています。さらにペンタックスリコーからは9月11日にKシリーズ最上位モデル「PENTAX K-5 II」、新型センサーの採用で基本性能を向上した「PENTAX Q10」などを始めとして、「PENTAX Q10」100種類から選べるオーダーカラー受注サービス、Qマウント用交換レンズ「PENTAX-06 TELEPHOTO ZOOM」、Kマウントレンズ用アダプターQ、中判用交換レンズ「HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SR、Kマウント用交換レンズ「HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AW」、新マルチコーティング技術「HDコーティング」を開発、Kマウント用高倍率ズームレンズ「smc PENTAX-DA 18-270mmF3.5-6.3ED SDM」など数多くの新製品が発表されています。ペンタックスリコーの新製品群での注目点は交換レンズ群が、わずかながら強化されてきたことです。なんとなく背後にリコーの力を感じさせる部分です。

 さてフォトキナに向けた新製品はこれですべてというわけには行かないでしょう。本命のライカは17日(現地時間)に発表会をケルンで開きますし、キヤノンニコンもこれがすべてではないだろうと思うわけです。例年になく楽しみなことです。