写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

EOS 7Dのファームウエアアップ

 キヤノンは、2009年10月に発売したデジタル一眼レフカメラの現行機種「EOS 7D」の性能を大幅に向上させる“ファームウエアVersion 2.0.0”の無償ダウンロードサービスを2012年8月上旬より開始すると6月28日に発表しました。主な機能向上は、連続撮影可能枚数の向上で、RAW画質で現行の約15枚から約25枚、RAW+JPEG(ラージ/ファイン)画質で現行の約6枚から約17枚に向上するというもので、これにより、EOS 7Dの特長である最高約8コマ/秒の高速連写性能をさらに生かすことができるということになります。
 またVersion 2.0.0にアップデートしたカメラ本体に、別売のEOSアクセサリー「GPSレシーバー GP-E2」(2012年4月発売)を接続することで、撮影地点の緯度・経度・標高の情報を画像に付加することができ、このほかISOオート時の上限感度を設定する機能や、カメラ本体でRAW画像を現像する機能など、「EOS 5D Mark III」(2012年3月発売)などで採用している最新の機能を使用することができるというものです。連続撮影可能枚数の向上では、使用メディアへの制約などありますが、発売後約3年経ってからのアップデータの配布なわけで、このあたりは今後どのようなことまでファームウエアアップできるかキヤノン製品のみならず興味あるところです。
 もともとファームウエアアップというと初期のバグつぶしのような印象もあったわけですが、製品寿命が短いといわれるデジタルカメラにおいて、発売後にかなり時間が経ってから機能がアップするというのはユーザーにとっては大変にうれしいことです。僕の知るところでは、ニコンD3やD300、リコーのGXRではバージョンアップをすることにより、jpgファイルのexif情報に著作権情報を書き込むことができるようになったのが過去にうれしかったファームウエアアップでした。