写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

ニコン「写真の力で復興支援」

 ニコン(木村眞琴社長)は、東日本大震災により被災地域への長期的な復興支援のために「写真の力で復興支援」のスローガンを策定し、さまざまな活動を実施していますが、その一環として、被災した中学校の生徒たちが撮影した写真でフォトブックの制作を支援するプロジェクトを開始し、また復興支援の活動拠点としてニコンプラザ仙台を開設すると11月16日に発表しました。

 1.)中学生の撮影した写真によるフォトブック制作プロジェクト
 被災地域の中学校を対象に毎年、それぞれの学校と協力して写真教室や作品選びを行い、中学生たちの撮影した作品で構成するフォトブックを制作し、生徒に寄贈。今年度は、これまでに寄贈したデジタルカメラを活用中の中学校3 校でフォトブックを制作。来年度以降、対象中学校を拡大していく。この活動は、特定非営利活動法人 映像情報士協会の組織する復興支援メディア隊と連携して、長期にわたり実施の予定。(写真はフォトブックの例で、岩手県釜石市立唐丹中学校 大瀧美輝さん作成。ニュースレリーズより引用)
 2.)ニコンプラザ仙台の開設
 写真展示、カメラの修理受付業務のほか、被災地域で活動するNPOやボランティア団体と協力して行うプロジェクト遂行や活動の報告・展示、さらにはニコン社員によるボランティア活動などの拠点として積極的に活用していく。[概要]住所(所在地):宮城県仙台市青葉区中央1-3-1 AER(アエル)ビル29F/開所予定日:2012 年3 月上旬/開所時間 :9:30〜18:00/(休日: 日曜日、祝日、年末年始)/電話番号:未定/業務内容:フォトギャラリー(写真展の開催)、コミュニティースペース(セミナー会場、復興支援活動および地元の文化活動などのための多目的スペース)、サービスセンター(修理の受付やメンテナンスに関するサポート窓口など)/このほか、復興を継続的に記録した作品によるニコンサロンでの写真展開催、被災地の高校写真部応援キャラバン、CIPAフォトエイド基金への資金拠出など、写真の力が復興の1つの原動力となり、被災された人々を勇気付けることができるよう取り組んでいく。

 「写真の力」「写真力」などと最近話題に上るフレーズですが、ニコン自体、3月の東日本大震災で仙台ニコンが被災しD3など高級一眼レフカメラ生産の遅延、さらにこの時期は一眼レフボディの9割を生産しているタイ工場の洪水の影響による操業の停止などにより、今期デジタル一眼レフカメラ生産の下方修正などを余儀なくされたわけですが、今回の発表で、企業の社会貢献の大切さを改めて知らされたわけです。(^。^)