写真にこだわる

写真の楽しみ方それぞれ。デジタルからフィルムまで、さまざまな話題を提供します。市川泰憲

カメラとデザイン

写真はただ写ればいいというものではなく、写す道具としてのカメラにはデザイン性も問われます。最近の若い子的にいえば、“かわいー”ということでしょうが、まずは持ってみたくなるということが大切でして、時にはデザイン先行で写りは二の次なんてカメラもありましたが、そのあたりのバランスは難しいところです。逆に、良く写るという評価がブランドイメージを高め、結果としてそのメーカーのハウスデザインとして根付き、デザインそのものが評価されることもあると思っています。そして機能からくる美しいデザインも当然あるわけですが、写真というかカメラは趣味性の高いところで大きな需要を生んでいるわけですから、“もってみたくなるデザイン”というのは、昔も今も、そしてこれからも重要視されるわけです。そんな「カメラとデザイン」をテーマにした、カメラの展示会が千代田区一番町の『日本カメラ博物館』で2月16日(火)〜6月20日(日)まで開かれています。
■さてあなたは上の写真をご覧になって、カメラ名とデザイナーの名前がどれだけ浮かびますか。正答率が高ければ、あなたのカメラ知識はかなり高いレベルにあります。では答えを紹介しましょう。
左上から、1)「コダック・バンタム・スペシャル」ウオルター・ドーウィン・ティーグ1936年、2)「フジカミニ」田中芳郎1964年、3)「ミノルタクレージュac101」アンドレクレージュ×ミノルタ1983年、4)「アンスコ・フレックス」レイモンド・ローウィー1950年、5)「オリンパスO-product」坂井直樹、山中俊治1988年、6)「キヤノンT90」ルイジ・コラーニ1985年、7)「コンタックスRTS」F.A.ポルシエ1975年、8)「ニコンF」亀倉雄策1959年

展示では、このほかにシクステン・サッソン(ハッセルブラッド)、ポルシェ(コンタックス富士フイルム)、ルイジ・コラーニキヤノン、シーガル)、ジョルジェット・ジュージアーロニコン)、マリオ・ベリーニ(富士フイルム)、ハンス・A・ムート(ミノルタ)、ヘンリー・ドレフュス(ポラロイド)、GKインダストリアルデザイン研究所(ズノー)、デプロ・デザイン(リコー)、オスカー・バルナック(エルンスト・ライツ)、田中芳郎(富士フイルム)、ソニーブロニカ)、坂井直樹・山中俊治オリンパス)、米谷美久オリンパス)、篠原宏(キヤノン)、塩谷康(キヤノン)、佐々木美香(パワー・ショベル:右写真)、アンドレ・クレージュミノルタ)、アニエスbニコン)、エルメス(ライカ)などを始めとした多くの機種が展示されています。今までとは少し違ったカメラの楽しみ方ができます。
◇講演会◇会期中には、3月27日(土)13:00〜15:00にキヤノン株式会社総合デザインセンター田中昇氏による「キヤノンEOSシリーズのカメラデザイン」・4月24日(土)13:00〜15:00に伊藤二良氏(カメラ研究家)による「コレクターから見たカメラデザイン」と題した講演会も開かれます。お申し込み並びに詳細は、『日本カメラ博物館』HPをご覧下さい。